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旅|景色と心情

 東京駅から、わかしお五号に乗った。臨海部を抜け、車窓に緑が混じり始める。畑が焼ける香りは過去の記憶を呼び起こす。千葉の広い土地に身を置き、身体の凝りのようなものが和らいだ気がする。世界を覆い尽くすように広がる橙の夕焼け。それを遮るものはない。地平線をずっと見ていたかった。澄んだ満月は美しい。しかし、満月を白いと思ったことはなかったかもしれない。

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