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【実況する美術鑑賞#46】速水御舟「炎舞」【毎日60分で1記事】

名画を鑑賞して実況しながら、毎日1時間でnote1記事作っています。

<ルール4.0>
・なんとなく知っているけど、よく知らない作家作品を一つ選ぶ。
・作品を3分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。
・ほぼ毎日続ける。
・名称を【実況する美術鑑賞】作家名「作品名」【毎日60分で1記事】とする。
(2021.9.23改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

教科書とかでよく見る絵ですね。縦長で、掛け軸のような形なんですが、素材的には岩絵具とかかなっていう感じです。

高く上がる炎に集まる虫たち・・蝶というか・・蛾かな?蛾ですね。蛾がたくさん集まっている絵ですね。「飛んで火に入る夏の虫」的な感じなんですけども、火に焼かれて死んでるような虫もいないので、そういうことを暗示しながら、その手前の一瞬美しい瞬間みたいなのを表しているのかなっていう感じがします。

集まってる蛾の種類も一匹一匹違うのか・・つがいみたいになっている蛾だけ同じ種類のような気がしますけど、現実っていうよりは、観念的な世界のような感じがしますね。

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炎の形がすごく特徴的で、前に見た浮世絵とか尾形光琳とかが使っているディフォルメした、グラフィカルな形で描かれてるんですけども・・でもあまり見たことのない形っていうか、形がかっこいいですね。

中心みたいなものがなくて捻じれながら上昇していくような・・そんな感じだったりとか、中心の火とちょっと飛び火している周辺の火が離れてある感じとかが、すごいかっこいい・・でもおどろおどろしい感じかな。かっこいいと言うか、状況的にもねそういう恐ろしいようなものにも見える。

美し恐ろしい・・みたいな。炎の周りにある色も、周りも真っ暗で、星も出ていない闇の中で、おどろおどろしい炎が燃えているって感じですかね。

・作品・作家について
速水御舟
「炎舞」1925年

参照:


・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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この作品は、実際に作者の速水御舟さんが別荘で1か月ぐらい毎晩焚き火を焚いて、そこに集まってくる蛾をスケッチしたり、蛾を捕まえてきて室内で写生したりして描いたものらしいです。

解説にあったのが、捕まえた後の止まってる蛾を精密スケッチしているので、全部蛾の向きが同じというか、図鑑に載ってるような向きで全部描いてあるんですね。それが最初の鑑賞ではあまり気にならなくて・・僕が注意力がなかったのかもしれないし、逆に言えば作者がそういう不自然な形でも自然に見えるように工夫して描かれた表現なのかもなって。

羽が炎と融合して描かれてるような部分とかが多々あって、そういうところが漫画的な表現というか、静止しているものを動いて捉えるような習慣が自分についてしまっているのかもしれないと思いました。日本的な表現として、自然にそういうものをの動いているものとして見てしまうと言うか・・

解説の方を聞いてから見ると、確かに不自然な感じもして、火に煽られてマリオネットみたいになっている蛾のおもちゃが、くるくる回っているような・・赤ちゃんをあやす天井から吊るしてあるようなおもちゃが炎に舞っているって言うようにも見えるし、そもそも「炎舞」って言う題名ですが、炎の方が主役で、それを引き立たせるために蛾が描かれているっていう捉え方もできるなと思いました。

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炎もさっきは離れて見ていなかったんですが、離れて見ていると、一部に集中してしまうような、焚き火の炎とかってじっと見ていると、その炎の中にもう一個世界があるような、空間とかパース感が狂ってきたりするような、そういう感覚ってあると思うんです。空を見ている時とか、海を見ている時とかでも、なんとなくある気がするんですけど、焚き火の炎にもそういう感覚が僕はあって・・

この絵にも、形は炎の形そのものではないと言うか、御舟さんなりの解釈としての形なんだけれども、目が吸い込まれていって、そこにもう一個世界なのか、空間があるような、別の次元があるような、全体を見る中で部分に目が吸い込まれていくような感覚があるなと思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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