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気ままな鑑賞エクササイズ#22 東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール3.0>
・作品を3分鑑賞して気づいたことを話し、文字起こしします。
・その後15分を目安に、書籍やネットで調べます。
・再度作品を3分よく見ます。
・5分て調査の結果や、改めて気づいたことを話し、文字起こしします。
・30分を目標に記事を編集します。
・上記の作業を1時間で完成させ、毎日続けます。
(2021.9.改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

はい写楽ですね。浮世絵で、こういう絵って「大首絵」って言うような名前を聞いたことがあるんですけど、顔がなんかでかい感じがしますよね。手に対してね。

で、手もなんか人体の感じが・・腕がどうやって胴体にくっついてるのか・・どういう風になってんのかはあまり良く分からなかったりとか・・なんか左手の親指の爪もすごいですね・・

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首もグイッと出て・・こうなんだろう切り取り方っていうかね、首の部分見ると、この肌の部分、胸がむき出し、はだけてるところも含めてより首がグイッと出てるような、そんな感じがしますね。

顔は・・目が寄ってて、これはあれかな歌舞伎の「にらみ」的なそういうところなのかな・・で、耳の上のところからちょっとこうね髪の毛が三本ぱらっと出てるとこなんか、線がすごい細いですねこれも版木で彫ったんですかね・・

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着物になんかこう家紋みたいなのがあって、そこに「鬼」って書いてありますね・・何かちょっとこう反社的な人なんですかね、この人は・・

やっぱ面長な印象だし、手のなんかやっぱ形が・・何て言うんですかね、その人体の正確な形っていうか、本当の形からなんだろうぎゅーっと力を加えて前に出したような・・左手とかね。右手はそれに比べてパンパンに膨らんでるみたいな・・そこら編はどういう意図があるんだろうなーっていうところかな・・

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・作品・作家について

東洲斎写楽
「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」1794年


・調べたこと


江戸時代中期の浮世絵師。約10か月の短い期間に役者絵その他の作品を版行したのち、忽然と画業を絶って姿を消した謎の絵師として知られる。その出自や経歴については様々な研究がなされてきたが、現在では阿波徳島藩主蜂須賀家お抱えの能役者斎藤十郎兵衛(さいとう じゅうろべえ、宝暦13年〈1763年〉 - 文政3年〈1820年〉)とする説が有力となっている。

写楽は寛政6年(1794年)5月から翌年の寛政7年(1795年)1月にかけての約10か月の期間(寛政6年には閏11月がある)内に、145点余の作品を版行している。

大判28枚の役者の大首絵は、デフォルメを駆使し、目の皺や鷲鼻、受け口など顔の特徴を誇張してその役者が持つ個性を大胆かつ巧みに描き、また表情やポーズもダイナミックに描いたそれまでになかったユニークな作品であった。その個性的な作品は強烈な印象を残さずにはおかない。代表作として、「市川蝦蔵の竹村定之進」、「三代坂田半五郎の藤川水右衛門」、「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」[5]、「嵐龍蔵の金貸石部金吉」などがあげられる。この時期の落款は全て「東洲斎写楽画」である。

写楽は寛政6年5月の芝居興行に合わせて28点もの黒雲母摺大首絵とともに大々的にデビューを果たしたが、絵の売れ行きは芳しくなかったようである。特定の役者の贔屓からすればその役者を美化して描いた絵こそ買い求めたいものであり、特徴をよく捉えているといっても容姿の欠点までをも誇張して描く写楽の絵は、とても彼らの購買欲を刺激するものではなかったのである。しかも描かれた役者達からも不評で、『江戸風俗惣まくり』(別書名『江戸沿革』、『江戸叢書』巻の八所収)によれば、「顔のすまひのくせをよく書いたれど、その艶色を破るにいたりて役者にいまれける」と記されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B4%B2%E6%96%8E%E5%86%99%E6%A5%BD
本図は、寛政6年5月河原崎座上演の「恋女房染分手綱」に取材した作品。「恋女房染分手綱」は、由留木家のお家騒動を背景として、伊達の与作と重の井の恋、それにまつわる悲劇を描いたもの。由留木家の家臣伊達の与作が、若殿の恋人芸妓いろはの身請け金を鷲塚八平次らに盗まれ、さらに腰元重の井との不義により主家から勘当される。重の井の父で能役者の竹村定之進が責任を感じ切腹をしたことにより、重の井は許されて姫の乳人となる。与作と重の井の間に出来た子供は馬子三吉となっていたが、名乗りをせずに別れる「重の井子別れ」が続き、やがて鷲塚一味の悪事も露見し、与作と三吉が八平次を討って主家に戻るという筋書きである。四条河原で一平を襲い、金を奪おうとする江戸兵衛を演じる三代目大谷鬼次。https://emuseum.nich.go.jp/detail?&langId=ja&webView=&content_base_id=100297&content_part_id=26
「恋女房染分手綱」のストーリーまとめ
https://toiletmark.com/383/

・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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写楽さんって10ヶ月ぐらいしか活動してなかったんですね。で、140枚ぐらい、いろんな浮世絵を描いて・・すごい短い期間にこうバ〜っと駆け抜けた感じの・・なんかスラムダンクみたいな・・

で、すごくその役者さんの特徴を欠点も含めてあの描いて、誇張した似顔絵と言うか・美化して描くって言うよりは誇張して描くっていうので、当時はあんまり人気がなかったっていう風に書いてあって・・

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他の代表作を見てみると、まあ確かにちょっとこうかっこいいとかって言うより、やっぱりちょっと喜劇的な感じがかなりして・・誇張してなんかちょっとも面白くなっちゃってる感じって言うか、志村けんさんみたいな感じの表情の作り方・・ちょっとそういうのをあの思い起こすような気がしますね。

東洲斎写楽画 三世坂田半五郎の藤川水右衛門 『花菖蒲文禄曽我』_Sakata Hangorō III as Fujikaw... - The Metropolitan Museum of Art

すごく目立つ白塗りって言うか、歌舞伎のメイクの中でその役者さんの特徴を誇張して表情とかも描いてるのが、なんかちょっとバカ殿様とか、アイーンしてるとことか、志村さんが作るような顔みたいなのを思い出しました。

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後はそうですね・・すごくダイナミックな所が、写楽さんの絵の見所っていうところなので、僕はけっこうその最初の鑑賞でわりと細部、細部っていう風に見てたんですけど、なんかそういうことではないのかもしんないですね・・

この第一印象でバチンと入ってくる、この感じが一番この人の売りなのかなーみたいな・・その人体がどうとか、そういうのではなくて、やっぱこの顔の感じとか・・そう見ると、今日見た絵は江戸兵衛って言うこの話の中では、なんだろう悪い奴に頼まれて主人公の金を奪いにくる盗賊の親分っていうそういう役割で、そんなに大した役じゃないっぽいんですよね。それ以上でも以下でもなく・・

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主人公の与作↑

だから主役とかで全然ない訳なんですけど、多分でもこの絵が残ってるって言うのは・・主役の絵も別にあるんですけど、それは確かそんなに印象には残らない感じなんですよね・・

この江戸兵衛さんの方がちょい役なんだけど、すごいこう何か主張してくるっていう感じとかは、なんかやっぱこの顔の迫力とか・・その「金を奪いに来てる」って言うストーリーが入るとまた凄いそれっぽく見えるみたいな・・そんな奴っぽいなーっていう感じがすごいするかなーっていう・・

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着物に「鬼」って入ってたのは、やっぱりそういうこうちょっと悪い奴っていうかね、チンピラじゃないけど、親分なんである程度強いというか、威厳もあるんでしょうけども、まあそういうやつってわかりやすいサインなんだろうなぁみたいなところがありました。

だから胸がはだけてるとかっていうのも、そういうことなんでしょうね。服をちゃんと着てないっていうか、袖通してないっていう感じとかも、こうちょっとやんちゃなと言うか・・なんだろうなあのちゃんとしてない人っていう、そういうこうあの役柄なんでしょうね・・

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この人、こっからこの手でお金を取って行くんですよね、主人公から・・見栄を切るというか、どういうポーズなのかなってちょっと思ってたんですけど、こっから金とるぞっていう、金をパクっちゃうよ!っていう感じで見ると、ああそれをこういう風な手でもしかしたら表してるのかなって思うと、それはすごく面白いなって思いますね。

ただ確かにその当時の歌舞伎が好きな人が求めるものとはちょっと違ったのかな・・みたいな・・でもそっちの方が今も残ってるって言うか、すごく浮世絵のアイコンになってるのでそれもすぐ面白いなって思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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