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気ままな鑑賞エクササイズ#32 レンブラント「フローラ」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール3.0>
・作品を3分鑑賞して気づいたことを話し、文字起こしします。
・その後15分を目安に、書籍やネットで調べます。
・再度作品を3分よく見ます。
・5分て調査の結果や、改めて気づいたことを話し、文字起こしします。
・30分を目標に記事を編集します。
・上記の作業を1時間で完成させ、毎日続けます。
(2021.9.改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと


これは女性像ですね・・左の方を向いている・・年の頃は30代ぐらいかな・・すごい若いっていう感じではなくて・・手に何か持ってますね。右手に・・何ですかね・・花かな・・ドライフラワーにも見えますけど・・

タイトルに「フローラ」って書いてあったので、この前#23で見たボッティチェリの「春」、「プリマヴェーラ」にも出てきたフローラに似てますね。スカートをたくし上げて左手で持って、そこに花が入っていて、花を振りまくみたいな・・そういうポーズがボッティチェリの中に出てきたフローラとすごく似てます。

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頭にもすごく綺麗なお花が、帽子の上に飾られていて・・でもこれはフローラ本人そのものではなくて、人間がコスプレをしていると言うか、コスチュームを着てフローラっぽくふるまっている肖像画みたいな感じなのかな・・

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実際の人物っぽいですよね。女神的みたいなそういう感じじゃないっていうか・・実際にいた人として描かれている感じがします。

でも顔とかすごい上手・・上手だけど結構このキャンバスの跡が残っているって言うのはどういう描き方なんですかね・・あと唇とか、鼻の先とか、真珠の首飾りとか耳飾りのこの光の粒、照明がすごく綺麗だなーって・・

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全体にも光がスポットライトみたいに当たっているので、絵の中でこういう風に演出したのか・・それともアトリエとかの中で鏡をレフ板みたいに使ってとか、もしくは直接日光とかを使って強い光を当てて描いたのかなーっていう感じがします。

服の描きかたとかも・・ざざざって勢いのある線なんですけど、ちゃんと離れてみるとしっかりこの服の質感がわかるっていうのがすごい上手な描き方だなーって思います。

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でもこのスカート持ってる左手は何か変な感じもしますけれども・・

後この背景はどういう感覚で描いてるんですかね・・真っ暗闇ではない・・前に見たカラヴァッジオとかだと真っ暗な闇の中って感じですけど、この絵は薄暗い壁が後ろにあるように見えるので、漆黒の闇っていうよりは、どっかの部屋の中なんでしょうか・・ぼんやり影がね、後ろの背景にね映ってるな気もするんですよね。この人物の・・

・作品・作家について

レンブラント・ファン・レイン
「フローラ」1657年

調べたこと

レンブラントは、同じオランダのフェルメール、イタリアのカラヴァッジョ、フランドルのルーベンス、スペインのベラスケスなどと共に、バロック絵画を代表する画家の一人である。また、ヨーロッパ美術史における重要人物の一人である。

「光の画家」「光の魔術師」(または「光と影の画家」「光と影の魔術師」)の異名を持ち、油彩だけでなくエッチングや複合技法による銅版画やデッサンでも多くの作品を残した。絵画『夜警』(別名『フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊)』)はレンブラントの代表作として著名である。また、生涯を通じて自画像を描いたことでも知られ、これらはその時々の彼の内面までも伝えている。

若くして肖像画家として成功し、晩年には私生活における度重なる不幸と浪費癖による財政的苦難に喘いだが、生前、すでに著名で高い評価を受け、オランダには比類すべき画家がいないとさえ考えられていた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3

・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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やっぱり花の神のフローラがテーマになってる絵で、4枚ほどこのフローラを主題にした絵を作者のレンブラントさんは描いているみたいで・・

そのうち3枚は最初の奥さんのサスキアさんがモデルになっていて、今日見た絵と同じようにサスキアさんがフローラのように着飾っているところを描いていて、

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今日見た絵は4枚の中で一番最後に描かれた絵なんですけど、2番目の・・結婚はしてないんですけれども2番目の伴侶のヘンドリッキエさんがモデルになっているそうです。

最初のサスキア版の3枚は・・こちらを向いていたり、目線が鑑賞者の方を向いていたりするんですが、今日見たのは一番は目線も外れているし、あと僕が最初の鑑賞で全然この人物の気持ちとか、どういうことを感情的に持っているのかっていうのに全く触れなかったみたいに、人は実在の人間っぽいんですけれども、感情が気になるとかそういう感じじゃなくて、人形みたいにこう結構固まっているような感じが他の3枚とは違うなーって・・

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レンブラントさんも裕福だった頃と、生涯の後の方はそうじゃなくなったって言う、そういう二つの面があって・・サスキアさんがフローラに扮してるほうを見てるとその違いが如実にあって、今日見たヘンドリッキエ版の方は最初の3枚とは異なって非常に質素な感じがしますね。

ヘンドリッキエ版フローラも、綺麗なものをポイントポイントで身につけてはいるんですけれども、サスキア版のフローラは、花も色んな種類があったりとか、洋服の豪華な感じがして派手な感じです・・

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あとこの絵がヘンドリッキエさんが亡くなって描かれたっていう話もあって、だから弔い的な意味で見ると、主題としては華やかなんですけれども・・割と偲ぶ感じと言うか、そういうレイヤーがあって、あんまり感情的なところを感じないように思います。

手向けの花みたいなそういうイメージ・・手に握られていたりとか、たくし上げられたスカートの中にあるのはそういう・・棺に添える花とか、そういうものだったりするのかなぁなんて思いました。

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元々はティツィアーノさんのフローラっていう主題の絵があって、その絵が後世の作家さんにも影響を与えたみたいなんですけれども、このフローラっていう神様は、高級娼婦的な・・そういう誘惑するような面を持っていたらしくて、だからティツィアーノさんの絵なんかはフローラが肌を出していたりとか、人を誘惑するような感じがあって・・

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最初のレンブラントの描いたサスキア版も、ちょっと胸が見えていたりとか、見ている側を誘惑・・とまでは行かないまでも意識するような感じも多少はあったりするんですけれども、今日見たヘンドリッキエ版はもうまったくそういう要素がなくて・・一般の人が思うフローラさんが持っているイメージとは少し違う感じなのかなと思いました。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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