気ままな鑑賞エクササイズ#29 デューラー「メランコリアⅠ」
1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。
<ルール3.0>
・作品を3分鑑賞して気づいたことを話し、文字起こしします。
・その後15分を目安に、書籍やネットで調べます。
・再度作品を3分よく見ます。
・5分て調査の結果や、改めて気づいたことを話し、文字起こしします。
・30分を目標に記事を編集します。
・上記の作業を1時間で完成させ、毎日続けます。
(2021.9.改定)
では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら
・3分の鑑賞で気づいたこと
これは版画とかですかね・・なんかもう画面いっぱいにいろんなものが描かれているっていう感じで・・
主人公はこの翼の生えた天使ですかね。髪の毛が長いけど女性なのか男性のがちょっとわからないな・・ヒゲがあるような感じもするし、でも体はふくよかな感じとか、ちょっと長いスカートみたいなのを履いていたりとかして、どっちなんだろうという感じ・・
その下には大工道具みたいなのが・・釘とかノコギリとかカンナとかそういうのがあって・・
あとこの右下の丸い球体は何ですかね?これを作ってたとかってことですかね?この道具で作ってたってことなのかなあ・・
腰には鍵みたいなのをたくさん下げていて、あとコンパスみたいなのを手に持って頬杖をついて・・
羊・・犬ですかね?犬が寝ている。結構筋肉モリモリの犬ですね。で、トンカチがあったりなんかして、なにか幾何形態的なものが窓辺に置いてあって・・窓の外にはメランコリアってこれ確かこの絵のタイトルだったと思いますけど、そんなのが描いてあって・・
窓の向こうの方に海か湖が広がっていて・・街並みとか、あとは空に流れ星か、太陽にも見えるようなものがその空に流れていると・・
で、天秤があったりとか砂時計があったりとか・・なんかこうフリーメイソン的な雰囲気もあったり・・壁の数字も・・16、3、2、13、9・・何の数字だろうな・・
物憂げにこう・・この人がいろんなことを考えているという感じなのかな・・天使が真ん中に座っていて、なんか石版に何か書いてるのかな・・ちょっと顔が怖い天使ですね。なんかこう荒木飛呂彦さんが書きそうな・・ちょっと不穏な空気もするかなこの天使の表情から・・
窓辺にあるこの立体物にはうっすらとなんか模様なのかそれとも何かの画像なのかが描き込まれてるようにも見えますね・・
あと・・そうか、窓辺にいるのか屋上みたいな所にいるのかちょっとわからないですね・・もしかしたらそういう屋根のないところにいるのかもしれないなーっていう風にちょっと思ったりもしました。
・作品・作家について
アルブレヒト・デューラー
「メランコリアⅠ」 1514年
調べたこと
四体液説における人間の4つの性格の一つ「憂鬱」を擬人化したもので、天使が頭を抱えて、目の前の忙しい光景を見つめて憂鬱に沈んでいる。魔方陣をはじめとして、砂時計、秤、菱面体(英語版)等錬金術、幾何学、数秘術に関連しているオブジェ。寝そべった痩せた犬や、タブレットに何かを描くプット。床に散らばっているグローハンマー、鋸、鉋、はしご等の木工道具。空には、虹、彗星または惑星、そして翼に版画のタイトルを描いたコウモリのような生き物等、寓意的な画題がいくつも描かれており、様々な解釈[2] がある。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%82%A2_I
・さらに5分の鑑賞で考えたこと
この絵はその題名にもなっている「メランコリア」=「憂鬱」っていうことを擬人化したって絵だそうで、物憂げなこの大きく描かれた人は女性だそうです。
古代ギリシアには四性論っていうのがあって、人間の体に4種類の体液が流れていて、その四つのバランスでその人の性質が決まるって言うのがあって、黒胆汁っていう液体が多いと「憂鬱質」っていう性格になって、元々はあんまりこうよくないというか、悩んでると言うか、ネガティブに見られる性格だったのが、後の世になって実はそれがすごく知的な活動だったり創造的な活動に向いてる気質なんじゃないかっていうふうに評価が変わっていったらしくて・・
で、この絵はその後者の方なので、登場してる人達の周りに沢山創造的な物が、創造に関するものが置かれているっていう事ですよね・・大工道具であったりとか、物を作るものがたくさんある。
よく見るとふいごとかもスカートの下に見えてたりとか、熱い鉄を掴むハサミみたいなのもスカートの中にあったりとかして・・いろんな計算式とかね、天秤とか時間を測るものとかもあるので、色んな創造性みたいなのもここに詰め込まれていると。
解説の中には、この背景の建物自体も今建てているみたいなそういう解説もあって、あーだからこう屋根がないような感じに見えたのかなぁとか思ったりとか、
あとは空に浮かんでるのは彗星とかで、この画面の光はどうも月光なんじゃないかっていう解説があって、ああ確かになんかちょっと光は妙な感じが感じてたんだけど、自分の中で勝手に太陽の陽の光っていうところに解釈しちゃったのはもう少しその違和感を大事にしたら良かったなーっていう風に思いました。
で、メランコリアっていうタイトルが書いてあるところも、これ何か言われて気付いたんですけど、動物なんですよね。コウモリなんですってね。これと寝ている犬とかにも寓意的な意味があるらしくて・・「克服すべき迷信や獣性」っていう風に書いてるんですけど、ちょっとこれはあまりピンと意味はわからないんですけれども・・
あとその女性なんだけれど、男性かもしれないなっていう風に見えたのは、やっぱりこの表情とか、この逆光の中で光ってる目とか、そういうのがちょっと思わせたのかなっていう風に改めて見て思いました。
最近このシリーズで、割りと聖母子像とかを見てきたので、そういう母性的な女性とか、ボッティチェリの美しい女性達、色気のある女性達っていうような絵があったんですけど、なんかそれに比べてなんかこの方はやっぱ無骨な感じであったり、ちょっとギラギラしてるって言うかね、攻めてるような感じの表情とか、この目つき・・逆光の感じとかがあったので・・
それがなんかこう攻めている感じって言うかね、男性的なものをちょっと感じたのかなっていうところですかね・・今までの価値観が、そのメランコリーの価値観が変わったっていうところと、この表情のなんかギラッとした感じがオーバーラップさせているのかなーみたいな感じですよね・・
外見的には悩んでちょっと陰気な、内気な奴って思われてたのかもしれないけど、その中にはすごくこうクリエイティブなものがとか、知的なことが渦巻いているんだぞ的な・・なんかそういうこういう価値観の転換っていうところで・・こういうなんだろうな、あの優しさとか母性とかとはまた違う表情とかになっているのかなっていうのは、解説を見て思ったところです。
あなたにはどう見えましたか?
また次回!
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