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【実況する美術鑑賞#36】ヴァトー「シテール島への巡礼」 【毎日60分で1記事】

名画を鑑賞して実況しながら、毎日1時間でnote1記事作っています。

<ルール4.0>
・なんとなく知っているけど、よく知らない作家作品を一つ選ぶ。
・作品を3分鑑賞しながら実況し、文字起こしする。
・15分を目安に作品について調べる。
・必要あれば再度作品をよく見る時間をとる。
・5分で調査の結果なども含めて再度鑑賞実況し、文字起こしする。
・30分を目標に文字起こし内容を編集する。
・上記の作業を1時間で完成させNOTEの記事にする。
・ほぼ毎日続ける。
・名称を【実況する美術鑑賞】作家名「作品名」【毎日60分で1記事】とする。
(2021.9.23改定)

では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
今回の作品はこちら

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・3分の鑑賞で気づいたこと

「シテール島の巡礼」という絵なんですが・・旅行とかそういう旅みたいな感じですかね・・巡礼・・わざわざ来るみたいな・・

島へ行ってきたご一行という感じですかね、ツアーみたいな感じで・・別名「愛の島の巡礼」って名前でも出てきたので、描かれてるみなさんは多分カップルなんでしょうね。

みんなペアになって、いちゃついてると言うか・・お話ししたりとか、手を取り合ったりとかしているという感じです。

右下に子供もいますけど・・これはこの人達の子供なのかな?それとも左の方には天使達がいるのでそういう存在なのか・・

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一番右には像が立っていて、手のない・・ミロのヴィーナスみたいな像が立っていて、色々お花とかが飾られてます。

画面の左手に天使達が飛んでいたりとか・・あと半裸の男性たちもいて、これは神々とか、聖人達って感じなのかな・・現実と虚構が入り混じってるような感じですかね・・

左手にも銅像と言うか彫刻作品のようなものがありつつ、天使達とか聖人みたいなおそらく空想の人たちもいるという感じに思いますね・・

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犬もいますね。結構高そうな・・いいとこの犬っぽい感じですね。で、こう杖なんか持って歩いてきたのかな・・小高い山まで・・見下ろすような入江なのか、湖みたいのがあって・・でもみんな風景とか全然とか見てないですね。本当お互いの顔って言うか、恋人の顔を見てるのか・・そんな感じです。

すごい風景とかあの天使達とかもいるのに、あんまりそっちを見てなくて、みんな自分たちの方しかみてない。もしかしたら天使とかは本人達には見えてないのかもしれませんね。この絵を見てる僕らにとか、画家にしか見えないものなのかもしれません。すごい雄大な自然なのに、ちょっともったいないなーっていう感じはしますね・・

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右上の方の樹なんかは、結構モヤモヤモヤっとして描かれてるような感じで・・筆の跡がそのまま樹の表現みたいになってるような・・そんな感じがします。


・作品・作家について
アントワーヌ・ヴァトー
「シテール島への巡礼」1717年

参照:


・さらに5分の鑑賞で考えたこと

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やはりこの島へ旅に来た人たちの絵らしいんですが、この「シテール島」っていうのは、ヴィーナスが西風のゼピュロスに吹かれて辿り着いた島、女神の島、愛の島ということで、ここに来ると恋人ができるみたいなそういう島だそうです。なので、若い人たちが旅行に来ていたというところで・・

右端に立っていた像はヴィーナス像ということで、バラの花=愛の花が飾られてたりとか、キューピットの矢筒が像の下にあるとかっていう風に書いてありました。

だから絵の中の皆さんはこの島に来て、こうやって恋人が出来たという感じですね。僕はもともとの恋人たちがこの島に旅行に来たように思ってたんですけども、そうじゃなくて恋人を作るためにこの旅行に参加した人々という感じだそうですね。

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それから、この人たちがそもそもこの島へ来たところなのか、来て恋人が出来たから帰るところなのかっていうので、解釈が分かれると言うか、論争があったらしくて・・どうも恋人になっているっぽい人達が多いので、今から帰るんじゃないかっていう方が今は有力なようです。

僕は画面中心の方から人々がこちらへ上がってくる、女神像がゴールとして上がってくるような流れで絵を見ていたんですけど、どうもそうじゃなくて右からお話が流れていって、どんどんみんなが帰ってるみたいな、そういう流れのようですね。

恋人を作りに旅に行くって言うと「あいのり」とか婚活パーティーみたいなイメージに見えるんですけど、でもただこの絵、実は一組のカップルの姿を、別の人を通して異なる時間軸を連続的に描いてるんじゃないかっていう説もあって、一番右側の女の人を口説いている男の人がいて、その左の場面で二人は仲良くなって一緒に立ち上がって、さらに左で腰に手を回して今降りて行くみたいなね、

1098px-L'Embarquement_pour_Cythere,_by_Antoine_Watteau,_from_C2RMF_retouchedのコピー

これが別々の人達でなくて、一組のカップルの時間軸を並べて描かれているっていう説があって・・そうすると、この絵を見たときのツアー感と言うか、わいわいがやがや感っていうのは、ちょっと違うのかもしれないなーっていう・・それはそういう話を知らないと分からないですけれども、全体が一組のカップルの話だとすると、この絵から感じる賑やかさは少し違うものになるのかなあなんて思いました。

これがこの島から帰っていく絵だっていうのを、より強く証明するものとして、この絵を描いた後にもう一枚同じテーマで描いてる物があるんですが、その絵はすごい流れが分かりやすくなってるんですよね。

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ヴィーナス像も、今日見たのヴィーナスは結構壊れてると言うか腕とかないですけども、そっちのヴィーナスはちゃん全身像ですし、あと人の流れも凄いわかりやすいですね。船に向かって帰っていく様子が、右から左へ分かりやすいし、あと天使の量も増やされていて、派手になっている感じがいます。あと船が描かれているので帰ってく感じをさらに感じやすいです。

で、わかりやすいんですけども、絵としては今日の方が僕は好きかなーっていう感じがして。

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後で描かれたのも分かりやすいんだけども、もう一つ今日見た方の絵のよさっていうか・・開けた風景がばあんとあって自分はそこに眼が行くんだけれども、登場人物は全然それを気にしていなくて・・その感覚的にすれ違ってる感じて言うか、恋は盲目じゃないですけれども・・うーんそこら辺の感覚が言外のものとして感じられるのが、いいかなーっていう風に思いました。

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後、一つの時間軸を絵の中に連続して描くっていうのは、ボッティチェリのプリマベーラの中に出てくるフローラの成長の所っていうのを思い出しました。あれもそういえば真ん中にヴィーナスがいて、しかもゼピュロスも出てきたので、今日の絵を見てももしかして「プリマヴェーラ」の舞台って、このシテール島の風景なのかなあなんて少し思い当たったりして・・そこが連想されて面白いなあと思いました 。

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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