【実況する美術鑑賞#48】モネ「印象・日の出」② リサーチ編
では、10分を目安に作品について調べ、感じたことを書き出します。
・調べて感じたこと
この絵は印象派のきっかけとなった絵ということで、僕は野外で描いたのかなって考えたんですが、どうも部屋の窓から風景を描いたというような説があるみたいで、半分アトリエ、半分野外みたいな、そういう場所で描いたのかなって思いました。
ル・アーブルという港の朝の風景で、霧がかかっていたので、こういうモヤモヤ感があるそうです。出来たばっかりの港で、まだ工事のクレーンが右の方の奥の景色に残っていて、鉤爪のような線はそのクレーンのようです。
左側奥の岸辺にある縦に伸びる線は、船のマストであったり、煙が出ているように見えるものは、水を抜くための施設の煙突なんじゃないかなっていう話があって、そう聞くと、割と機械的なものもたくさん絵の中に入っていたんだなっていう風に思いました。
ぱっと最初に見たときに絵から認識できるものだけを見ていくと、太陽と海と、手漕ぎボートみたいな、のどかな風景のような気がしたんですが、クレーンとか煙突とかっていうのを聞くと、金属音であったり、蒸気を吹く音とか、そういう工業的な機械的な音もこの風景からしたのかなって、ちょっと印象が変わりますね。
確かに「サン=ラザール駅」とかモネの他の作品で近代的な文明、機械とかを絵の中に描いてあったと思うので、そういう部分も結構この作品にも入っているのかなって思いました。
後はやっぱり、かなり画像画像で色合いが全然違うので、色についてあまりこの画面で見て言及してもそこまで意味はないのかもなって思ったりもしますね。光の当たり方とか、写真の撮り方とかで、それこそかなり印象が違う絵になるのかなって思いました。
通常はこういう風景画を描くとなると、もう少し空が大きく描くのが当時のセオリーみたいなんですけど、この絵はかなり水面が大きくて、ほぼ画面の中心に水平線があるっていうところが、もしかしたら日本の浮世絵的な俯瞰視点の影響かもしれないし、最初の鑑賞で僕は水面の色の変化が面白いなと思ったんですけど、そういうものを描きたかったのかなとか・・
あと、例えば晩年に描く「睡蓮」とかでも、割と水面に映った景色みたいなものが、実景と同じぐらい・・それ以上に描き込まれている感じがあったりするので、最初に見たときはこの水面の色合いっていうのが、海の流れとか波によるゆらぎなのかなって思ったんですけど、もしかしたら、この絵ではあまり描かれていない空を映してこういう表現になっている・・水面の描写にさらに空の描写も加わって、こういう複雑な表現になっているのかな・・なんていう風にも思いました。
あなたにはどう見えましたか?
次回もお楽しみに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?