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わたしが見た、あなたの世界は

出張撮影、というのは。
誰かの人生のある瞬間だけ、ひょいっとお邪魔させていただくお仕事だ。

だから自分の子供もいないというのに。卒園式やら入学式の参列経験があったり、七五三のご祈祷を体験したりしている。

他にも結婚前の両家の顔合わせに立ち会ってドキドキしたり…

運動会では子供を追って校庭中を必死で走り回ったり…

お宮参りに同行して、赤ん坊の小さな手にきゅーんとしたり…

 
こうやって人生の節目…それも幸福成分を多く含むような場に、部外者ながらひょっこり顔を出していると。まるで幸せのお裾分けをもらっているような気分になる。

本来なら関わることのなかった誰かの人生、そこにお邪魔させていただいて…幸せの欠片を集めて、形あるものとして残すこと。出張で写真を撮るって、そういう仕事だ。
 

こんな仕事をしよう、とか。こんな風になりたい、とか。そういう明確なビジョンを持っていた訳ではなくて。出来ることを出来るように、求められるままにやっていたら…いつの間にかこうなっていて。気づけば立っていた場所だけど、そこは想像以上に幸福な場所だった。

自分の得意なことで、喜んでくれる誰かがいる。
シンプルに、幸せだ。

自分の為の写真も良いけれど、他人の為の写真というのも同じくらい良いものだと思う。わたしが見たあなたの世界を、どうか受け取って下さい。

出張撮影って、そういうお仕事です。

 

 

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今回は出張撮影について、書いてみました。

以前に「作業としての撮影は…」でもちょっと書きましたが、同じ「写真を撮る」という内容でもスタイルが違うんですよね。自分の場合は作業というよりも、「わたしからあなたへ」なんです。
 
例えるなら、公開ラブレター。撮影と現像という2つのプロセスを経ることによって、「あなたとわたし」でないと生まれない写真が出来上がる…そんな風に感じています。
 
 

 

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