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2019年11月の記事一覧

モラトリアムの部屋

モラトリアムの部屋

隣の市でひとり暮らしを始めたのは、大学4年生になった春のことだ。

高校生の時から「大学は通いで行ける場所で」と言い聞かせられていたから、実家から出られるなんて社会人になってからの話だと思っていた。それが県外進学予定だった弟が、県内へと予定が変わり。それなら自分が家を出てもいいのでは…とダメ元で親と交渉してみたところ、存外にあっさりとOKが出た。夢のひとり暮らしが、現実の物となった。

はじめて借

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