”ガラガラ山”の名前の由来は??:福井県中北部山間地域【地元再発見の小旅行vol.20】
福井県の中北部山間地域の地質は、北と南で大別されます。
今回はその北部についてのお話!
場所の確認
まずは場所の確認をしましょう。
中北部山間地域は上図の水色の範囲です。
今回はこの中でも福井市南西部の沿岸地域です。
地形を見る
では、行ってみよう!
まずは遠目に。
中北部山間地域の西半分は海沿いを北東ー南西方向に細長く続いています。
でも、よ~く見てみると海沿いは絶壁ではなく、わずかながらも緩い斜面が見えますね。
見たい場所は南半分です。拡大しました!
南の方の海沿いの斜面、広い範囲で同じ向きになっているように見えるのが気になります。
以前紹介した鳥取県の「だだっ広い斜面」と似たイメージ。
さらに拡大!
問題の斜面の範囲を下図で図示してみます。
小さく見ると、赤点線の範囲がひとまとまりの斜面、大きく見れば点線まで入るかなぁ?と私には見えます。
この段階では縮尺大きくて断定できませんが、おそらく地すべりが沢山ある斜面なのでは?と想定しています。
では、順を追って見ていきましょう。
ガラガラ山??
もう少し詳しく見てみようと国土地理院地形図をかぶせてみたら・・
ん??
真ん中の山、何て読むの???
え?ガラガラ山??
凄い名前ですね!面白い!!でも何故こんな名前??
ちなみに、この段階でハッキリ分かりました。
この斜面、地すべりです。けっこうデカいですね・・。
今動いているかどうかは別にして、地すべり地形なのは間違いないです。
地すべり地形を判読してみる
図示してみます!
大きく見ると、この範囲です。
点線は過去のキレツをもとに谷になったと考えられます。元図をもう一度出しますので、見比べてみて下さい♪
3Dも見てみましょう。
どんな地すべりか?
もう一度、見てみましょう。
幅、斜面の長さとも約2.5kmと大きいです。
ここまでの大きさの地すべりはそうそう見ません。
でも今はだいぶ浸食が進み、バラバラで個別の地すべりになってるように見えます。
だいたいこんな感じ?と赤線で図示してみました。
地すべり地形分布図を見てみましょう。
目印として大枠の地すべり範囲(筆者想定)を入れてみました。
大規模地すべりは想定されてませんが、地すべり地形はあると考えられているようです。
なぜガラガラ山なのか?
話を戻してガラガラ山。何故こんな名前なの?
私は恐らく地すべりが原因なのではないか?と想像しています。
ネットで検索してみたらガラガラ山キャンプ場がありました。なかなか良さげなキャンプ場です♬
場所はコチラ☟
ニョキッと突き出た急傾斜の山体だけがガラガラ山かと思いましたが、地元の人にとっては、周辺一帯も含めてガラガラ山なのかも知れません。
地質図を見ると、地層はだいたい北西~西方向に傾いてるようです。
つまり、すべり台が海の方に向かってるような状態ですから、そりゃ地すべりになりますよね。
黄色い地層が砂岩泥岩互層で、その上に肌色の礫岩が載ってます。
それらの下にオレンジ色の安山岩・玄武岩溶岩があります。
おそらく地すべりのすべり面は黄色い地層内にでき、上の礫岩ごと動いたと考えられます。
礫岩そのものは硬いです。でも下の地層が動くので、だんだん歪みが大きくなり、岩塊ごとにバラバラになると思われます。
大きな岩塊がそこら中にガラガラと転がっている斜面なのでガラガラ山になったのでは?と思うのですが、どうでしょう?(笑)
ちなみに変わった地名の場合は案外地すべりだったりします。
それと、もしかしたら山頂付近の礫岩から、礫がポロっと抜け落ち、ガラガラと落石することがあるからかも??
これは是非、現地へ行ってみて地元の人に聞いてみたい!!
以上、お読みいただき、ありがとうございました。
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