絞りだされた大地part2:秋田県中北東部高山間地域【災害から身をまもるvol.33-2】
秋田県仙北市の北西部には、まるで土砂が流れてきたかのように見える地域があります。それが何なのか探るために上流地域を見ると、崖に囲まれた凹凸の多い不思議な地形が広がっていました。
地形おさらい
もう1度、見てみましょう。
まずは「土砂が流れてきた」かのような地形です。
3Dで見ると分かりやすいですよね。ドロドロと流れてきた雰囲気です。
上流の地域はこんな感じ。
崖(赤線)に取り囲まれた土地で、沢山の水たまりや湿地(赤丸)があります。特に東側に集中していますね。
不思議な地形を詳しく見る
図示なしでもう一回見てみましょう。
地形図だけのものと等高線が入ったものを並べますので、見やすい方をじっくり見てみてください。
他に、どんな特徴が見えるでしょうか?
こんな感じで、ほぼ南北方向の尾根や谷が並んでいます。
そして東半分の方が全体的に標高が低く、西の方が高めの山が集中しているように見えませんか?
等高線をなぞってみました。
桃:800m
赤:750m
青:650m
緑:600m
です。やはり真ん中より西の方が標高が高めですよね。
この特徴は「平成20年岩手・宮城内陸地震」で発生した荒砥沢地すべりに似ています。
並べましたので見比べてみてください。下が荒砥沢地すべりです。向きを合わせるために回転させたので、右が北です。似てると思いませんか?
荒戸沢地すべりの範囲と動いた方向は、だいたいこんな感じです。
同じように、この地域の地すべり範囲と動いた方向を想定しました。
こんな感じです。
今回はここまで!
次回は、この地域がどんな地すべりなのか?など、もう少し突っ込んでお話ししたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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