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好きな人と、闘うことになりました

新宿、20時。

ぐつぐつと煮える火鍋をはさんで向かい合い、私とさどまちは呆気にとられていた。

広く清潔な店内を中国語が飛び交い、足元には鮮やかな鯉が泳ぐプロジェクションマッピング。

京劇(一瞬で顔が変わる門外不出のあれ)の恰好をした人が得意気に闊歩し、びょんびょんと伸びる麺をなわとびのように自在にあやつるカンフーマスターが拍手を受けていた。

なんなんだ、ここは。

どうなるのだ、今夜。



私のnoteをよく読んでくださるかたはご存知かと思うけれど、さどまちは私の大好きな友人だ。そして私は彼女のことをライバル視している。嫉妬している。それはもう、隠すほうが恥ずかしいと思うくらいに。嬉しいことに、彼女も私にたいして「嫉妬してる」と言ってくれている。

20代の女性がお互いを「ライバルです」なんていうことって、もしかしたら珍しいのかもしれない。けれどもとにかく、私たちはライバルなのだ。お互いに。



さて、ことの始まりは、さどまちが日にちを間違えて写真家の鈴木心さんに会いに行ったことだった(詳しくはさどまちのnoteをどうぞ)。

その後たまたま、私が心さんが講師をつとめるイベント(note×鈴木心「スマホでポートレートセミナー」)に参加した。

「わーい楽しそう♡」とぽわぽわした気持ちで参加したのだけれど、「ボケに頼る写真を撮るひとはボケた人です」「もう一眼レフいらないよね?」などのパワーフレーズが次々と繰り出され、なんだかとんでもない人に出会ってしまったようだぞ・・・と脳みそをガツンと殴られた衝撃に痺れながら帰途についたのだった。

このイベントの際に心さんとさどまちの話をしたことから、三人がつながった。


そこからはもう怒涛の展開だった。

心さんから「3人で写真の話をしましょう」と提案を受け、たった数日後には新宿の名物火鍋屋さんでごはんを食べることが決まった。

ここで話は冒頭に戻る。

「仕事が押してて、すこし遅れます」

心さんからの連絡を受け、私とさどまちはふたり、緊張(と空腹)で固まっていたのだった。



仕事終わりの心さんは、イベントのときと変わらぬ柔和な笑顔であらわれた。

あまりのスピード感とまさかの展開に驚いてます、と伝えると、「明日死ぬかもしれないでしょ?こういうのは速く進めたいんだよ」とにっこり笑う。

「明日死ぬと思って~~」という大人は掃いて捨てるほどいるけれど、ほんとうに「明日死ぬ」前提でスケジュールを組む人には初めて出会った。

写真もエンタメであっていいと思うんだよ。心さんは言う。今の日本の写真は、内にこもって萎縮している。過去ばかり懐かしがって、いっこうに新しいことに挑戦しようとしない。もっと写真は楽しいものであっていいはずなのに。

たとえばこの火鍋屋さん。注文はiPadで徹底的に自動化・システム化している。その分、エンターテイナーを雇ってお客さんを沸かせている(ちなみにこのお店、キッズスペースだけでなく、なんとネイルサロンまで併設されていた)。おいしいものを提供するだけでなく、楽しい時間を提供している。写真ももっと、こういうことできるはずだよね?と。

お肉をほおばりながら、うなずくばかりだった。

写真の話からアートの話、建築の話、生きることと死ぬこととエロの話・・・心さんの話は縦横無尽で、だけどそのどれもが結局は写真にたどり着くのだった。このあたりは書き始めると終わらないのでまた別のnoteにて。


帰り際、心さんから提案を受けた。ざっくりまとめるとこうだ。

これから定期的に、集まりましょう。

①さどまちと私が聞きたいことを用意する
②心さんがそれに対してヒントを与える
③さどまちと私は行動して答えを考える


①~③を1サイクルとして、くり返してみよう。

期間は約3ヶ月。ゴールは、さどまちと「写真道場」でバトルすること。


心さんは、弟子でもなんでもない私たちに、写真のことを教えてくれるという。その代わり条件として、教わった内容を書くこと。発信すること。好条件すぎるような気もするけれど、たしかに私が返せる精一杯のことは「まわりのみんなに伝えること」なのかもしれない。

だからこれから逐一、noteにまとめていきます。

ちなみに今回の私の宿題はこんな感じ。

・「なんか」という口癖をなくすこと。ふだんの会話だって、ひとつのプレゼンテーションであると考える。情報のノイズを挟まないように心がける。

・アートの世界に目を向けてみる。SNSで「いいね」がついている写真だけを追いかけていては、一生その世界からは出られない。六本木など、実際に足を運んで、自分の目で見て考える。良質なアートを順序よく摂取していこう!

・「好きな写真」がなにか、「好き」という言葉を使わず、自分の言葉で説明できるよう考えてみる。

・写真集を「読む」。長期鑑賞に堪えうる写真がなんなのか、自分なりに探ってみる。


さどまちも私も写真が好きで、平日も休日もなくカメラ片手に飛び回っていて、お仕事として撮影もしている。

だけども写真の学校を出たわけじゃないし、アシスタントとして経験を積んだこともない。厳しい言い方をすれば、ただの一般人、ただのOLでしかないのだ。

この「ごく普通」の二人が、3ヶ月という短い時間でどこまで行けるのか。ひとりじゃたどり着けない場所まで、3人だったら行けるだろうか。


道場が終わったあと、見える世界はどうなっているだろう?


心さんの実験が、そして私たちの挑戦が、始まりました。


・・・

さどまちのnoteはこちら


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ぽんず

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これはアメリカの給水塔
195
どうしても長い旅をしたくて会社員をやめ、19年9月から旅をはじめました。が、コロナであえなく夢破れて帰国しました。めちゃくちゃ模索中。