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砂糖奴隷からの解放にて身体が干からび路上でいきなり飯食え!とパンをもらう日

こんにちは、Yurikaの地球生活ピーポーです。
最近2月のベルリンはめっきり寒くなりました。
川の表面もめっきり氷が張ってきました。
noteの更新頻度もめっきり下がりました。

noteに関しては去年の夏に訪れたドイツ、カッセルの芸術祭体験記の続きを書きつつ、
12月に東ベルリンの古き良き映画館で実験音楽家と映像作品のコラボをした話、
年越しに森にこもって一人で糸と遊んでいた話など
書きたいことがありすぎて残す行為が間に合っていない状況。
1月も新作を作り合同展示に参加し終えたところ。

レストランの野菜の皮を集め使用した染めもののコラボレーション販売や、パフォーマンスアートも挑戦中。

完璧を求めて足が止まる前に熱量で押し切ろうというのがここ最近のマニフェスト、そんな感じで目の前の餌にのみ集中する毎日。


精神は身体と結びついてバランスが保たれていることは皆さまもよくご存知だと思うが、
私は身体のバランスがいつも崩れがち。

寒いとチョコレートが食べたくなるのは何ら不思議なことではなく、チョコレートがチョコレートを呼ぶ、そんな雪だるま式に毎日甘いものを食べ続けては
糖分の奴隷と化し血糖値を好き放題暴れさせ続けていた。
2月12日にサウンドイベントにてパフォーマンスをすることとなり、集中力をつなぐために砂糖を2週間断つことにした。
血糖値を手懐けパフォーマンスでの最上を振り切るのだ。


ついでにプチアレルギーである小麦粉も2週間断つことにした。

初めの数日甘いもの欲に苦戦すると思われたが、砂糖か否か、今まで悩んでいた2つの選択肢が否砂糖の一択になると楽だった。
米、野菜、豆、たまに肉を食べる、
コーヒーや紅茶の繊細な風味を感じる感覚が戻ってきた。
集中力が続く。
小麦粉も抜けてきて朝が楽になった。

血糖値が私の足元で大人しくしているのを感じる。

同時に、栄養不足も足元に忍び寄ってきていることに気が付いた。

食べること自体がめんどくさくなりつつあり、このままだと身体が飢餓モードに入る感覚。もともと遅れていた月経も全く訪れる気配がない。

結局全てを断つ事よりも、程よいバランスで付き合い続けることこそが真の健康というものなのだ。

7日がすぎた頃、家での作業の気晴らしに川沿いを歩いた、晴れた夕方、0℃の寒さが空腹のカラっぽな身体に染みる。
河にかかる大きな橋にさしかかると寒さが増しした。
中腹でおじさんが水鳥たちにパンをちぎって与えていた、カートに食料や衣類を積んでいる、特定の家がない人だろう。

私の方を見るや否や満面の笑みでこっちこっち!と手招きしてきた。

近寄ってみると人1人入るくらいの大きい袋の口を広げて私に向かって差し出してきた、
透明の袋の中には大量のパン、ハムやチーズの具材が挟まったさまざまな種類のパンが入っている。
どうやらスーパーなどの捨てるパンやサンドイッチを大量にもらって(拾って)きた様子。

これをちぎって鳥の餌にやるってこと?

聞くと、
ちがうちがう、キミにだよ!まだ食べれるしたくさんある、食べな!
と言う。

私の身体がいかに栄養が必要な状態であることを一発で見破ったおじさん、
満面の笑みで好きなだけ持っていきなという。

一度手に取った大きめのパンは切れ込みに得体の知れないオレンジのペースト状のものが挟まっていた。
魚のペーストだろうか、食べたことのないパンだ。
その下にチーズとトマトとレタスを挟んだパンが顔を出したので、あ、それにする、と見慣れたトマトチーズサンドのパンをひとつもらった。

ありがとう、じゃあね、橋をあとにする。
思わず施しを頂いた、
これは食べろと言うサインだ。
乾いた表面をガブリと齧ってみると、挟まっているトマトの汁が乾いたパンに染みた。
一口食べると腹が減っていたことを思い出しそのまま全て平らげた。

パンを食べたら元気が出た。
散歩からすぐ家に帰るつもりだったが、手ぶらのまま電車に乗って展示に行くことにした。
二日間限定の展示の終了30分前に会場に入る。
ベルリン芸術大学のさまざまな芸術コースの学生の作品展示が元工場のアートスペースで行われている。

一通り見て周り会場も閉まるところで、
あの作品が一番よかったなあと思いながら歩いていたら男性に声をかけられた。

展示楽しめた?

偶然声をかけてきた男と会話していたら、私が一番いいなと思った作品の作者だった。
橋でのパンといい、作者本人といい、今日は私の心の声がダダ漏れの日なのだろうか。

作品について色々話を聞かせてもらった。
周りが片付けを始めていることに気がつき男と別れて会場を去った。


Glocken und Kanonen(鐘と銃)/Özcan Ertek サウンド作品
時間をテーマに時を司る教会の鐘と、その鐘を構成する青銅に着目し、同じ成分で円盤を作り中心から音を響かせる。戦争中は教会の鐘を溶かし武器に使用していたという。



帰りがてらチョコレートを一欠片食べた。

次の日には何食わぬ顔で月経が訪れた、

何事もやりすぎは良くない、余裕という隙間は必要だ。

しかし砂糖、小麦粉は控えると調子がいいので今後も良いバランスで付き合っていきたいと思う。