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採用における”母集団”って何?

採用の仕事をしていると、”母集団の形成”という言葉をよく耳にする。採用業務のイロハをしっかり誰かに教えられたわけではないので、学術的定義などは正直分からない。だた、大方の意味としては、求人に対し、「応募条件がマッチした人たちのグループ」であることであっている、だろう。

私がこれまで採用で関わってきた企業、求人に対し、グループが作れるほど、対象者がいなかった。とりわけ、外資系やグローバル企業では、絶対的にバイリンガルが必要最低条件だ。それもビジネスレベルで、読み書きに止まらず、プレゼンや交渉など、日本語だって大変なスキルを外国語で出来る人はそんなに多くない。それに加え、特定な薬の開発経験だとか、アメリカの会計監査の実務経験など、結構な稀有な業務経験を持つ即戦力で、年齢や性別に希望を付け加えると、”集団”を形成するほど人数がいないのが現実。更に、転職希望があるか、否かで、更に対象者が減り、その企業、求人に応募したいかどうかとなれば、下手をすればゼロだ。だが、企業や人材紹介会社は、たとえ少なくても、数を集め、その中から、いい人/優秀な人を採用しようとする。

この多様化した世の中で、企業が優位に立って、”どれにしようかな”と、候補者を選べる状況にないと、気づいている企業は実に少ない。転職を希望する人に、”自分の市場価値を知れ”という本や記事をよく見るが、企業側も、”転職者目線で、企業の採用市場価値を知れ”と、私は思う。これだけ、大中小の企業のみならず、ベンチャーやフリーランス、投資家と、人の働き方、お金の稼ぎ方のすそ野は広がり続けている。求人を出せば、応募が来る、そんなのは昭和の幻想だ。特に、なかなか稀なスキルや経験を持っている人材を探している企業は、「高い年収を出せば、優秀な人が来るだろう」という、そのマウント体質から脱却できていないように見える。

これは、売り手市場、買い手市場とかの話ではない。「あの会社で働いてみたい」と思わせる採用ブランディングの話である。

企業は、応募者を待つのではなく、応募してもらう戦略が今、必要なのだ

春田みつきさんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございました。




「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。