【夢日記】愛人の家

米倉涼子のような人が愛人の家をテーマにレポートするテレビ番組を撮影しているようだ。

1軒目は、大女優の家。
昭和の大スター。
誰の愛人かはわからない。
瀟洒な温泉旅館のような佇まいの静かな一軒家。
濃い紺色の優しい夜の中、月のような黄色い光が柔らかく背の高い生垣の中でしっかりと扉を閉ざした日本屋敷の竹の門の足元を照らしている。

2軒目は、皇族の親戚の娘の家のようだ。
世間を騒がせる浮名をいくつも流してきたこの娘のお相手は俳優でミュージシャンのようで、彼女の腕にギターの刺青があるともっぱら噂になっている。
その俳優には、美しい女優の妻がいるのだから、余計に騒ぎになっていて、竹垣に囲まれた立派な邸宅に、記者が詰めかけている。
大きな屋敷は柔らかな昼の日差しに、しっとりと影を落としている。

3軒目は、今をときめく男性俳優。
窪田正孝に似ているようだ。
彼は同世代の最近結婚した女優の愛人のようだ。
その家は鳥取にあって、濃い鼠色の大粒の玉砂利が敷き詰められていて、背の高い竹の中をくぐり抜けていった向こう側に和風の玄関が覗いている。
朝の眩しいオレンジ色の日差しが印象的な家だ。
彼が出演する今撮影中のドラマは、鳥取で撮影されているらしい。
彼は毎日そこから自転車で撮影現場に向かっているらしい。

4軒目は、マンションの一室のようだ。
その部屋は高いところにあって、大きな窓から暗い夜の街を一望できる。
大きな窓には白いレースのカーテンがかけられている。
米倉涼子のような人が、カーテンを開け、窓を開ける。
眼下には、真っ暗な暗闇が広がっていて、白熱電球の間接照明が施された部屋の明かりに慣れた目には何も映らない。
そのうち、ぼんやりと街の明かりが見えてきて、そこそこ大きな街だとわかる。
ここは伊東のようだ。
そしてこの部屋は電車の駅からも近いらしい。
部屋の中には大きなソファが2台、向き合うように並べてある。
そこへ、床嶋佳子のような菜々緒のような人が帰宅してきた。
なぜ、ここに入れたのか、不思議な顔で見ていたが、すぐに歓迎してくれ、部屋の中を案内し始めた。
そして、ソファの下に男性用の薄いグリーンに縦縞の入ったパジャマが無造作に丸まって落ちていて、その先には、枕のようなものが置かれているのに気づいたようだ。
反対側のソファの下にもまた枕が置かれている。
隠しようもない、言い逃れもできないその証拠に、菜々緒のような人は、崩れ落ちた。
「私は…私は犯罪者…犯罪者…」
大きな声で泣き叫んでいた。


あくまで夢の中の出来事であり、登場人物は実在の人物とはまったく関係ありません。

ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!