【夢日記】雨のバス

会議室にいる。
何かの会議に参加しているようだ。
ちょっと難しい要求をされて、神妙な面持ちで自分たちの部屋に戻ってきた。
職場に新しくやってきたおじさんと話している。
メガネの奥の大きな目が印象的なおじさん。
くたびれたスーツを着て、あまり背は高くなく、ぽっちゃりしていて、どこか憎めないタイプだ。
自分たちの部屋らしきところで、小学校のように島になった机に、向かい合わせて座って話している。
おじさんはメガネをかけていて、そのメガネにマイクロスコープが着いていた。
「そもそもどういうしくみで、やってるのかがわからない」
「私もまだ来たばかりなので、よくわからないんです」
「マニュアル的なものはないのかな」
「ええ、ないみたいなんですよね」
「ロジックがわからないと何も進められないね」
おじさんの顔がアニメのように変わった。

外にいる。
あたりはすっかり暗くなっていて、雨も降っている。
おじさんは、たくさんの書類を持って、バス停を探しているようだった。
私は役所に行く予定で、いつもとは違うバスに乗るようだ。
私はおじさんに行き先を聞くと、同じ方向だからと、一緒にバスに乗るように言って、いつの間にか、バスのチケットを買っていた。

バスの中で、おじさんと楽しく話していた。
とても楽しくて、とっくに降りるバス停を通り過ぎてしまっていたようだ。
慌てて降車ボタンを押して、降りる時に、運転手さんに行き先を告げてどうしたらいいかを聞いたけれど、ほしい答えは得られなかった。
雨が降っている。
私は傘をささずに、雨に濡れながら、元来た道の方を見るけれど、おじさんの姿はない。
振り返ると、おじさんが私にこちらに来るようにと手を振っている。
傘をさして、なぜかたくさんの牛乳パックを抱えている。
おじさんのところへ行くと、傘を差しかけてくれて、すぐ後ろにあるお店の軒下に入った。
水色と緑色が合わさったような淡い色に塗られた小さなお店は、薄暗い蛍光灯の光を夜の雨の中に放っていた。
カフェか駄菓子屋なのかもしれない。
店の前に、ガチャガチャのようなものが2台置いてあって、カラフルな丸いガムのようなものが入っている。
オープンスペースのカウンターの向こうに人が働いているのが見える。
奥にはテーブル席があるようだ。
時計を見ると、もう5時をすぎていた。
もう5時をすぎてしまったから、今日は役所には行けそうにない。
おじさんが言う。
「おもしろいね」
「何がですか?」
「知らない街でバスに乗って、気ままにボタンを押して、毎日違うところで降りてみるのって、おもしろいと思わない?」

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