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企業と大学の研究者の違い:意識改革は必要?

ゆーです。

この記事では、主に研究者について書きます。
ですが、研究者と一緒に働いている方々にも知っておいてもらったほうが、彼らを説得しやすく働きやすくもなると思います。
周りに研究者がいない人も、実は本質的なところで似てるかも…?

最初に少しだけ私自身について。
バックグラウンド無しでは、今回の話、意味がわからない。笑

ボクは、大学で博士号を取るまで6年間研究してきました。
恩師のありがたい指導のおかげで、最後2年ぐらいは、「どういうところを意識して、何を心がけて研究すべきか」みたいなところを、感覚として掴めてきました。
なので、研究テーマも、比較的おもしろいもの(先生にも認めてもらえるようなもの)を立案できましたね。

ここまでできると、一流とは言えないものの、「研究者として生きていけそう!」という自信がつきます。
そんな自信をひっさげて企業に就職しました

そこで、壁にぶつかる。
…売れるモノを作るためには何を研究したらいいんだ?

いや、理屈はわかりますよ?
ビジネスなんで、(まわりまわってでも)企業にお金が入ってくるような研究(仕事)をしないといけない。
そんなことはわかってるんです。

でもですよ、何を研究したらお金に繋がるんだ…?
いいモノを作れば売れるのか?と問われるとNoというのが、今の世の中。
もう少し具体的なところが全然わからない、さぁ困った。

大学にいた頃は、学生ということもあり、オリジナリティがあって、まだ見つかってないモノで、開発されていない方法を見つけ出し、現象が論理的に成り立つことをきちんと証明していけば良かった。
論文を書いたら審査もされるので、審査員をいかに納得させられるか。
文章の構成も、“コレはすごい研究なんだ”というアピールを適切に遂行したものが求められる。
かなり簡単に省いて書いてますが、ボクの解釈はこんな感じ。
あくまで、立場は学生です。)

特に、学生はお金のことを気にしなくてもよく、大きな責任もない。
そうなると、「俺はおもしろい研究をできているのか?」みたいなところを意識します。
(*理工学部や薬学部で、ビジネスに近い領域を研究していると、少しだけ意識は企業寄りになるみたい?知人談です)

こんな意識で会社に入る。
で、いざ研究をやってみる。
でも、どれだけおもしろい研究を思いついても、それが自社製品に使えないものならいらないし、なんなら優先順位が最底辺なので、やめるように指示が来て他の研究へ。
かといって、製品化できる技術を追い求めれば売れるものになるか?というと、そんなこともない。

じゃあ結局、マーケティングやブランドの力なのか?
ボクの答えは「半分はそうじゃないかな?」です。
研究は研究で、どんなウリを作るべきか?は、絶対に意識しないといけない
この時、心に留めておくべきなのは、“何を基にして研究を開始するか”。
(詳細は長くなるので、別の機会に書きます。)

自分の内なる想いなのか、消費者のニーズなのか。
それぞれの最終的な出口への持っていき方が、大きく異なります。
ニーズのない領域の研究でも、やっていけちゃうことは確かにあります。
でも、かなり厳しい。
それで製品に繋がらなくても、評価してくれる会社もあるようです。
「よく考えてるし、研究者としては結果出せてるじゃないか!」という風に。

ただ、おそらくこれから日本は、もっと成果主義の国になる気がします。
副業や転職が推進され始め、そうなってくると優秀な人の取り合いに
「こいつは優秀な人だ!」と見てもらうには成果が必要ですからね。
(もちろん、全ての仕事に成果主義が根付くとも思っていませんけどね。)

そうなると、研究者も売れるモノを作っていかないといけない。
「売れるか売れないかは別の要因で、そこの責任は自分には無く、他の人がちゃんと考えるべきだ」みたいな構図が組織に根付いているなら、問題ありませんよ?
もちろん、会社としては大問題でしょうが…
でも商品に関わる以上、売れる売れないは、やっぱり意識した方がいい。

「自分はこの研究がおもしろいと思ってるんだ!やらせろ!」では、ダメなんです。
企業に入ってしまえば、研究なんてツールの一つです。
手段なんです。
目的にしてはいけません

ここをガッツリ意識しないと、企業で一流の研究者になるのは難しいのではないでしょうか?
一流になりたいかどうかは脇に置いておいても、人に非難されながらやる仕事ほど苦痛なものはありません。

不必要に敵対視されないよう、「自分の立ち位置はこうなんだ!」と話せるようにしておいたほうがいい気がしますね。

以上、学術的な要素の強い研究をしてきた人は、少し意識してみては?と思ったことでした。

気づきなどのきっかけになれば幸いです。やはり応援していただけるのは、ものすごく嬉しいですし励みにもなります。またぜひお立ち寄りいただければ… (いただいたサポートは、今後の活動資金にさせていただきます。何かしらの形で還元させていただければと思ってます。)