陰謀論にはご注意を。
1.陰謀論は宗教
「フリーメイソンが〜」とか、「監視社会が〜」など、ネット上は陰謀論があちこちにあります。
よく考えてみてください。
地球には70億人の人間がいて、それぞれ異なった行動、生活をしています。
それを、特定の組織が全てを裏で操ることができると思いますか?
自然現象や70億人分の行動、その他の生物たちなどの変数を考えると、地球全体のことや未来のことは、神でもない限り全てを管理したり、予測したりすることは不可能です。
企業や各国政府、国際組織などあらゆる組織が、何かしらの理念を持って、それぞれ行動していることは確かだと思います。
しかし、特定の組織の思惑通りに、この世界が動いているとは到底思えません。
2.人間は物語が大好き
私たちの脳は、言ってしまえば物語生成機能が備わっています。
これは仕方ありません。
例えば視覚の場合、光が電気信号に変換され、映像になって脳に伝達されます。
信号と信号の空白部分は、脳が情報の埋め合わせをしており、途切れなく滑らかに見ることができます。
情報と情報を繋ぎ合わせて、一貫したシナリオを作るのです。
3.他人の物語の世界を生きる必要はない
それぞれの知覚を一つ一つ見ていくと、ただ情報が脳に伝達さているだけです。
しかし、人間は生きている限り、それらを統合して、物語を作ってしまいます。
そして、自分は矛盾がなく一貫した存在であると思い込んでいます。
近年、心理学や行動経済学、認知科学などの分野が、人間がいかに不合理かつバイアスの罠から逃れられないかを明らかにしつつあります。
デカルトに端を発す、西欧の理性主義や合理主義はただの信仰≒宗教でしかありません。
人間は生きている限り、物語の世界から逃れられません。
しかし、だからと言って他人が作った物語の世界を生きる必要はありません。
人間は物語を作ってしまうということが分かると、頭の中で作った物語の世界を生きるより、今この瞬間にマインドフルである方が、よっぽど幸福に生きられることが分かります。
4.脳はいくらでも理屈を作れる
現代は情報が溢れかえっています。
しかし、それらの信憑性はピンキリです。
某番組で、「松本人志、ロシアのスパイ説」という陰謀論を皮肉る回がありました。
それを見れば分かりますが、情報を組み合わせれば、いくらでもシナリオを作ることができます。
5.分かりやすいことの危うさとポピュリズム
「◯◯をぶっ壊す」というフレーズが、日本で二度ほど話題になりました。
1度目は小泉政権。
2度目はN国。
こういった分かりやすい仮想敵を作り、大衆を煽ることで「◯◯を撲滅しなければいけない」という物語を語ることができます。
一時の感情に身を任せたポピュリズムの行く末は、悲惨な末路しかありません。
私たちはナチの歴史から学ばなければいけません。
分かりやすいことを言っている人は、大抵は物事にレッテルを貼っているだけです。
「◯◯が全て悪い」とか、「◯◯は諸悪の根源」など、この複雑な現代社会で、そんな単純な話がある訳がありません。
私たちが耳を傾けなければいけないのは、分かりやすいことを言っている人ではなく、分かりにくいけれど重要そうなことを言っている人です。
6.強迫性障害?
陰謀論者は、強迫性障害や不安障害の類の神経症に陥っている可能性もあります。
次回は私が体験した、不安や神経症的傾向と、その軽減方法を書こうと思います。
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