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『僕と私の殺人日記』 その41

※ホラー系です。
※欝・死などの表現が含まれます。
以上が大丈夫な方だけ閲読ください。
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それでぼくは、ユイカちゃんに死んでほしいと願った。本当は生きてほしかった。

だとしても、入れ替わるためにそう思い続けた。

何度も謝った。

その後、リナちゃんがユイカちゃんを殺して、ぼくは入れ替われたんだ。

結局、ユイカちゃんが何をしたかったのかよくわからなかったけど、きっと何か考えがあったんだと思う。

長くなったけど、君に言わないといけないことがもう二つある。

前に君は、『ユウくんは命を大切にしたいの? それとも命を差別したいの?』と聞いたね。

その答えは両方だ。

ぼくの考えだけど命の価値は人の考え方によると思う。

だから、虫が死んでも悲しまないけど、猫が死んだら悲しむ。虫が好きな人なら多分、 虫が死んだら悲しむと思うんだ。

リナちゃんはすべての命が同じだと思っているなら、すべての生き物を愛することだっ てできたんじゃないかな?

ただ、それがたまたま悪い方向にいっただけなんだ。

そしてもう一つ。

ぼくは君を止めないといけない。勝手でごめん。 でも、もう決めたんだ。

これからも君は人を殺し続ける。

それを止めるためには君を殺すしかない。

本当に矛盾しているよね。

ぼくらは一心同体。ぼくも一緒に地獄へ行くからね。

少しの間だったけど、楽しいこともあった。生まれ変わったら別のかたちで会いたいな。

ぼくの友だちになってくれて、ありがとう・・・。


想いを伝えたぼくは、目を開き、ナイフを握った。刃先を自分のおなかに向ける。

不思議と怖くなかった。

みんなの顔を思い浮かべながら、ぼくはおなかを刺した。

痛みと血が溢れる。

ベッドの上に倒れ、最期の時をただ待った。 日が沈み、世界はまた、眠りにつこうとしている。

一人ぼっちになったぼくたちは、暗闇だけが訪れるその世界を静かに眺めた。

薄れゆく意識の中、田植えの風景が頭に蘇る。

おとうさんの笑顔。

良太のがんばっている姿。

おかあさんのおいしいおにぎり。

一緒に苗を植えたリナちゃん。


黄金色に成長した稲をみんなと見てみたかったな・・・。


続く…


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