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サウジハーフ赤ちゃんは、「割礼」という儀式がある

サウジ夫と結婚して約2年半、息子が生まれて約2ヶ月、まだまだ文化の違いを日々感じています。

今回は、その息子が生まれた際に行った「割礼」という儀式についてお話しします。


サウジアラビアでは赤ちゃんが生まれたらすぐに「割礼」という男子性器の包皮を一部切除する手術をやります。

割礼は生まれてすぐやった方が赤ちゃんの回復が早く、泣きが少なく済むため、病院で生まれた瞬間に行われます。


サウジアラビアの男の子は割礼を必ずやらないといけません。

夫の家族には、いつ割礼をやるのかと何度もプレッシャーをかけられていました。

しかし、日本で割礼をやっている病院はほとんどありません。

地元の病院は20件ほど電話したけれどどれもできないとのこと。

早くやらないといけない・・・。


そんな中、愛知の大きな小児科でできるという情報をゲット。

家から車で2時間ほど離れた病院ですが、できるならここでやるしかない。

その時まだ息子は生まれて1ヶ月ほどの新生児だったので本当は遠出はしたくありませんでしたが、予約をしてやることにしました。


しかし、その病院に診察に行ったら、悲しいことが発覚。

赤ちゃんが半年になるまでできないと断られました。

しかも全身麻酔だよと脅される。

予約した時に教えてほしかった・・・。

往復で約4時間のドライブ。

外出が初めての赤ちゃんには大変だっただろうに。
頑張ってた😭

日本で赤ちゃんが割礼をするのは大変だなーと感じました。

まあでもここは日本なので仕方ないです。

ということで東京の割礼ができる病院まで行くしかない。

新幹線で小さな赤ちゃんを連れて行くのは大変ですが、頑張ろうと決意しました。


割礼は、東京にあるTokyo Medical and Surgical Clinic というクリニックでやることになりました。

外国人向けのクリニックだったので、予約電話は英語。当日クリニックにいた患者さんやお医者さんも9割以上外国人でした。

産まれて1か月半の赤ちゃんを新幹線で連れて行くのは泣かないか不安でしたが、新幹線から病院に着くまでの間ずっと寝ていてくれたので問題なく着くことができました。よかった。


クリニックは東京タワーの真ん前にありました。

割礼開始時刻の1時間前に到着したため、待っている間に授乳やおむつ替えをしました。
そのおかげで赤ちゃんはご機嫌な状態で割礼に挑めました。


そしていよいよ割礼するお部屋に呼ばれました。

個室に手術台があり、そこに赤ちゃんが乗る台がセットされていました。

赤ちゃんの服を脱がせて真っ裸にし、台に乗せる。
この時、看護師さんが赤ちゃんの手足を固定するためのバンドをつけます。赤ちゃんにとっては、この手足が自由に動かせなくなることがとても不快😭うちの子もずっとご機嫌だったのに、バンドをされた瞬間に泣き始めました・・・。

かわいそうでしたが、私も夫も隣で
「大丈夫だよ」「すぐ終わるよ」と声をかけ続けて安心させるようにしました。

赤ちゃんの固定が完了したらまずは部分麻酔の注射。
この病院は全身麻酔ではなく、おちんちんの一部のみの部分麻酔でした。
(大人の場合は全身麻酔になるそうです)

次に包皮切除が始まります。
親は赤ちゃんの真横いることができるので、私はずっと隣で頭を撫でて顔にキスをしながら「大丈夫、大丈夫」とギャン泣きする息子をあやしていました。

切られている間にギャン泣きしている息子がかわいそうで私も涙でした。

普段うちの息子はおしゃぶりを使うと落ち着くので、途中でおしゃぶりを加えさせたりもしました。

そしたら少し泣きが収まった。安心したのかも。

可哀想だけどおしゃぶりが好きな子で良かったです・・・。


ギャン泣きで大変でしたが、割礼自体はすぐに終わりました。
開始から30分で手術完了。

無事にできました🙏

切除後10分くらいその場で待ちます。
その間、頑張った息子は疲れ果てて寝ていました(笑)
お疲れ様。

息子はかなり泣いていましたが、もっとギャーギャー泣く子もいるそうでうちの子はやりやすい方だったそうです。


今回私たちの息子の対応をしてくれた先生はイギリス人で、もう10年以上割礼をやっているベテランさんでした。
多い時には週に6件も割礼をやるそうです。

日本にも私たちみたいに割礼をやりたい人がたくさんいるんだな〜。

慣れている先生に対応してもらえて安心できました。


手術後は、麻酔が4〜6時間効くということで、その間にまた新幹線で家に帰ることにしました。

麻酔の有効時間についてよく分かっていなかったので東京に泊まるホテルをとっていましたが、次の日に麻酔が切れてギャン泣き状態で新幹線に乗るよりも、手術後すぐに帰った方がいいだろうと思い、ホテルはキャンセルしました。(キャンセル料100%取られたのは辛いですが…。)


とにかく、無事に割礼ができて本当に良かったです。
帰りの新幹線も息子はぐっすりと眠ってくれて、1回も泣かずに帰ることができました。


帰宅後・・・

その日の夜、やはり様子はいつもと違いました。

泣き声がとにかく大きかった。こんなに大きな泣き声は初めて。

麻酔が切れる時間くらいから、おしっこをするたびに不快になり泣いていました。

でも思ったよりひどくはなかったです。
私の想像では夜中ずっと泣いて寝れないかと思っていたので。


手術後の次の日・・・

昼間はご機嫌で手術前と変わらない様子でした。
良かったーっと思っていました。

しかし夜。

沐浴をした時に切除部分ついていたガーゼを剥がしたとたんに大声で泣き出しました😭

まだ出血もあったので、皮膚をカバーしていたガーゼがなくなり痛みを感じやすくなったのかもしれません。

その後はずっと不快そうに、今まで以上に泣いていました。

どうしようもなかったので抱っこをしながら頑張って寝かせました。


切除後のおちんちんは、先生に説明してもらった通りにお手入れ。

水で濡らした綿棒で剥いた箇所をなぞってワセリンを塗り、亀頭が包皮にくっつかないようしにます。

正直まだ生々しい赤っぽい色をしているのでちょっと触るのが怖かったです。

そして5日後くらいには出血がなくなり、泣き方も今まで通りの元気な息子になりました。


Tokyo Medical and Surgical Clinicでの割礼は、保険が使えないので約8万円とかなり高価です。

でも息子が無事に元気で割礼ができたことが何よりも良かったです。

また、地方在住の私たちにとって東京は新幹線で2時間ほどと少し遠いのですが、内診などで事前に通う必要がなく、当日に終わるという点がとてもありがたかったです。

先生いわく、仙台や名古屋など遠方から割礼をやりに来る人も多く、特にパキスタン人やスリランカ人が多いと言っていました。


サウジ夫と出会っていなかったら「割礼」という言葉を知ることすらなかっただろうな〜。

そもそも私は女なので気にしたこともなかった😅

サウジ夫と出会って約8年になりますが、まだまだ新しい文化や世界を知ることができて楽しいです。

日本でムスリムの子を育てるのは大変なことが多いですが、これからも夫と一緒に乗り越えていこうと思います。


また何か新しい発見や気づいたことがありましたらこのnoteに書いていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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