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医療ソーシャルワーカー㊽(種類)

医療ソーシャルワーカーとして働く以前は病院はどこも同じで救急車で運ばれてきた患者さんは入院して治療してもらい退院するところだと思っていました。
私自身、様々な役割の病院に転職しそれぞれの役割や自分の性格的なものに合致したことで今の病院で勤務しています。今回はおおまかにそれぞれの病院の役割を紹介しようと思います。

①急性期病院
 病院の役割として一番イメージが付きやすいかと思います。救急車で患者さんを受け入れ、緊急で手術をしたりします。規模としては割と大きめな病院があてはまるかと思います。
 特徴としては上で述べた救急の患者さんの治療を最優先としますので、入院ベッドの確保が重要です。なので患者さんの退院促進にはかなりシビアです。ソーシャルワーカーとして対応する中で良く患者さんやそのご家族から「もう退院ですか」、「この病院は手術が終われば追い出すからね」と言われます。
 否定するわけではないのですが、次に救急で運ばれてくる患者さんの為に今いる患者さんを退院させなくてはいけないという役割がありますので、患者さんやそのご家族が思っている以上に入院期間は短いのかもしれませんね。

②療養型病院
 急性期で治療を終えた患者さんが転院する先の病院として療養型病院があります。療養型病院にも各地域の特徴が様々だと思いますが、私がいる地域では看取りを視野に終末期を迎える患者さんの受け入れをしてくれる病院と急性期で治療を終えた方の退院支援を行う病院の2種類があります。
 看取りを視野に入れた療養型病院の場合、寝たきりの患者さんや点滴のみで栄養管理をせざるを得ない患者さんが多いです。実際に私の曾祖母も最期は療養型病院で看取ってもらいました。
 もう一つの退院支援を行うことのできる療養型病院の場合、急性期で治療を終えた後、リハビリや退院調整を引き続き行ってくれます。急性期病院ではどうしても日数のかかる支援は苦手としてるため、施設入所までの調整、介護保険サービスの調整まで期間を設けることが出来ません。
 急性期→療養型→自宅または施設に退院するケースも多くあります。

③回復期リハビリテーション病院
 その名の通りリハビリを主体とした病院です。脳血管疾患や大腿骨の骨折など定められた疾患でなおかつリハビリが必要と認められた方が入院出来る病院です。ある程度の期間を設けながらリハビリを集中的に行うので患者さんにとってはかなりハードな一面もあります。
 私自身以前はこちらの種類の病院に勤務していました。入院当初に比べ劇的に回復する人もいれば、なかなか回復に結びつかない方もいました。
 ある程度の期間入院しますので、ソーシャルワーカーとして患者さんやそのご家族との関係性もしっかりと築きながら退院支援が出来るイメージです。状況に応じて患者さんと自宅に行き、家の様子を確認したり患者さんの職場にお邪魔させてもらい復職支援を行ったこともありました。

④緩和ケア病院
 がんの終末期に対応する病院です。患者さんやそのご家族から「緩和ケア病院に入院すると死を待つだけ」とか「あの病院に入院すると帰ってこられない」と聞くことがありますが、私の地域の緩和ケア病院は少し違います。
 もちろんがんの終末期となると自宅に戻れず病院で最期を迎える患者さんいますが、緩和ケア病院のそもそもの役割はがんによる苦痛を緩和すること目的としています。専門の医師や看護師がいる中でがんによる苦痛を軽減し自宅での生活を整えることが出来る病院と私は認識しているので、間違ったイメージでより良い選択が出来ることを阻害しないようにしっかりと病院の役割を説明していますが、未だに緩和ケア病院の認識がマイナスなものになっていることが多くあります。

⑤精神科病院
 精神疾患や重度の認知症の方を受け入れてくれる病院です。私自身精神科病院での勤務経験はなく患者さんを送り届けたことや以前の職場で立ち入ったことがある程度なので詳しいことが分からないのが実情です。
 精神科領域で働く医療ソーシャルワーカー(PSW・精神保健福祉士)の方
と今度情報交換する機会があれば色々聞いてみたいです。

色々なことを割愛しながら紹介しましたが、おおまなかな病院の種類を説明させてもらいました。ご自宅から近い病院がどの種類の病院か確認するのも良いかもしれませんね。

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