猫をレンタル【夢日記】

 白い猫を膝に置いて、私は愛おしくその背中を撫でる。今回の猫はとってもかわいいなあと気に入ったのだ。少し毛が硬く感じるけど、でもとっても可愛い。この猫にしよう。そう決めて私は猫を膝からおろし、別の用事を済ませに行った。

 戻ってくるとその猫がどこにもいなかった。手伝いに来ていた母に猫はどこ? と聞いたら、耳を疑うような言葉が返ってきた。「あれは…捨てたわ」 私は逆上し、母を強く何度も問い詰めた。あんなに私が気に入って可愛がっていた猫を捨てるなんて! それにあの猫は借りものなのに! 母は「だって…どちらにしてもそうした方がよかったわよ」と言った。何と言ったか言葉は定かではないが、何かよくないものに浸かってしまい(泥沼の中の菌とかウイルスとかのイメージ)、どちらにしてももう触れられない状態だったからだった。私はそれを聞いて少しだけ納得した。それと同時にこの白い猫の前に来た猫はどうしたっけ…と気になった。もうすっかり記憶の彼方だ。確か黄色い箱に入ってきて…、私、もしかしてそのままにしちゃってたっけ…とゾッとした。そのまま箱の中に入っていたら死んでしまってるかも…。でも、記憶をよくよく辿って、その猫はそんな目にはあっておらず大丈夫だったことを思い出してホッとした。
 だが、あのかわいがっていた白い猫が捨てられてしまったことはやはり悲しかった。ようやく見つけたと思ったのに。

 その後、母に少しの怒りを持ちながら二人で遠出をした。たどり着いたところは大きなビルの中だった。そのビルは全面ガラス窓だったが、窓はなかったんじゃないかとも思う。そこから見える景色は、見たことのない光景で、何かで土地を抉られたような、もしくは隕石などが落ちた後のような凹んだところに、見事に都市が築かれていた。色彩とともにその様子がとても見事で、また珍しくて私は窓を行ったり来たりしながら、隅々まで見たいと思った。 
 というのもそれは、なかなか難しかった。なぜなら今自分がいるビルのフロアが波のように動いているからだ。すごく高い位置になったり、また低い位置になったり、酔うほどではないもののその動きによってじっくり観察することが難しかった。

 そのビルは、どうやら高級なホテルのようでもあった。中には広い空間に数人しかおらず、ひと部屋もビルのワンフロア丸々使っているような感じだった。薄い赤色のフロア。ビルの床が大きく上下することによって、それが階を行き来する通路となったりして、たまに別フロアにも人々がいることを確認できた。母は景色に夢中になっている私を置いて、さっさと部屋かどこかに行ってしまっている。

 上下するフロアは、私を興味の渦に巻き込み、同時に開放をくれた。眼下に街並みが見えたと思ったら、次の瞬間には青い空以外何も視界に入らなくなる。この空間をどう表現できようか。私はとても嬉しかった。

//夢ここまで
at 20240201

~筆者雑記~
 猫のくだりは、、本当に悲しかったです…。猫好きの方々にも不愉快な内容だったかと思います。ごめんなさい。夢ですのでご容赦ください。
 夢に猫が出てくると、あんまりいい傾向ではないと言われています。今回は私自身が猫を膝に乗っけて、かつすごく可愛がっています。ということは猫が象徴する人物に私はとても心を開いて信頼している。でも、猫を象徴する人物は、甘い顔して膝に乗ったりするが、私をよく思っていない。そんな状況をある意味母が取り除いてくれた、という感じでしょうか。
 夢の最後では、爽快感がすごかったので、そんなに悪い結末ではないかな…? と思ったり…。また自己流夢判断でした。
 でも、夢の中の猫は本当に愛おしかった…。


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