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声が枯れるくらい喉が裂けるほど_【見た夢の光景】

 これでもか! というほど大きな声で私は父を責め立てた。もう声が枯れるくらい、喉が裂けるほどに叫んで非難した。

 父が何をしたかというと、扉付近の不安定なところにモンステラが活けられた花瓶を置いただけだ。そこに置くと倒すから、と言っておいたのにそこに置いて案の定花瓶が倒れた。そして、棚の下にあるものが水で濡れてしまった。本やカセットテープ。特に本は人から借りていたものだった。

 私は少し離れたところからその瞬間を見ていて、とても腹が立った。父はそういうところ無頓着で、大したことだと思っていない。そこがまた癇に障った。
 私はこれでもか! というほど大きな声で父を責め立てた。もう声が枯れるくらい、喉が裂けるほど何度も何度も叫んで非難した。

 あーあ、濡れちゃった! と思いながらその濡れた場所を片付けようとすると、思っていたより被害は大きくなかった。本が少し濡れていたがカセットテープは無事だった。赤と青と黄色の単純な幾何学模様が書かれたカセットテープ。特別なものだ。それが無事で少しホッとした。

 父の反応は不明瞭だった。顔もよく見えない、不明瞭。もはや存在すらも不明瞭といえる。そんな不明瞭な父が棚の前でポーズを取っている。ダンスだった。私は仕方がないと感じ、ぶつくさ文句を言いながらもそのダンスにバランスを取るようにゆっくりピルエットをできるだけ回った。

 それでも私は怒っていた。

 //夢ここまで
at 20240112

~筆者雑記~
  声が枯れるほど、声がなくなるほどに叫んで怒りをぶちまける。心からの叫びだった。というのもこの夢を見る前に、現実世界で腑に落ちない出来事があったのです。それが表れたのだなぁと目覚めて思いました。だからなのか、寝る前よりだいぶスッキリと目覚めることができた。夢の中で消化したような。
 でも時間が経つに連れて、また昨日のもやもやが戻ってきてしまった。それは私の監視が甘かったせいだな。せっかく夢が消化してくれたのに…。なので、もう一度その問題と対峙して、向き合って、友人にも助けてもらって、今は納得してそこから離れることができました。
 しかし、最後の奇妙なダンスがポイントです。私は文句を言いながらも自ら相手に合わせて踊るのです。そうなんだなぁと思いました。そして、それでいいとも思いました。


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