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#フリーダカーロ
フリーダ・カーロの日記ー新たなまなざし
メキシコを代表する画家フリーダ・カーロが、自ら描き綴った絵日記。待望の日本語版(カラー)刊行です。解説は堀尾眞紀子先生。
度重なる手術、流産、離婚、復縁…精神を保つために絵を描き、ディエゴを愛し傷つき、間違いを繰り返し、それでもディエゴでないとダメだと気づく。彼との関係性を探り、母となり、同志、分身となりながら模索する軌跡。
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インクの染みから(フリーダ・カーロの日記#12)
フリーダは日記の中で、滲み出たインクと裏抜けした部分を3頁にわたって想像力に富んだ絵に仕上げています。はじめは犬らしき動物、それは次のページでさらに獰猛化し、その次のページではターバンらしきものを髪にまいた女性が空を飛ぶ絵に変化しています。また、はじめに登場するインクの犬らしき動物の下には別のインクの染みもあり、こちらは葉脈が描かれた1枚の葉から、次ページでは「戦死した兵士」というコメントをつけて
もっとみる点と線の国の奇妙なカップル - ネフェリシスとオホ・ウニコ -(フリーダ・カーロの日記#11)
1945年の絵画作品『モーゼ』に、フリーダはネフェルティティを描き、「ネフェルティティは非常に美しかっただけでなく、“解放された女性”であり、賢明な夫の協力者であったに違いないと思う」とコメントしています(Hayden Herrera, Frida: A Biography of Frida Kahlo)。
フリーダの日記の中で、「点と線の国の奇妙なカップル」と題するページがあります。フリーダは
チョコレート伝説 ~メキシコのカカオから~ (フリーダ・カーロの日記#10)
フリーダの日記には、メキシコ原産のカカオが生き生きと描かれているページがあります。まず、色のイメージを書いたページでは、茶色を連想するものにチョコレートソースの「モレ」をあげています。「モレ」はメキシコで肉料理に使われる辛味のチョコレートソースのことです。チョコレートが菓子としてではなく、料理に使用する身近な食材でもあるのです。その数ページ後に、ページの真ん中に巨大なチョコレートを描き、ナワトル語
もっとみる『La llorona:ラ・ジョローナ』~泣き女の伝説とチャベラ・バルガス(フリーダ・カーロの日記#9)
Eloisa Aquino, THE LIFE AND TIMES OF BUTCH DYKES,B&D Press 2010
フリーダの日記には、たくさんの涙と泣き顔が登場します。8頁に及ぶディエゴへの愛の手紙の最後に添えられた線描は、複数の瞳が木の根やこぶの隙間に描かれたもので、いくつかの瞳からは涙がこぼれています。フリーダが好んで使用したと思われる涙のモチーフは、彼女個人の痛みや悲しみを表
アウソクローモとクロモフォーロ(フリーダ・カーロの日記#8)
Fabian Negrin, FRIDA y DIEGO, Editorial Ateneo, Grupo ILHSA, 2014
日記の中で、フリーダは自分とディエゴを特別な名称で呼んでいます。
・・・
フリーダのディエゴへ宛てた愛のメッセージは、ほとばしる情熱のままに綴られた暗喩に富んだ散文になっています。ディエゴを語る時、フリーダはあまりにも饒舌になり、語り尽くせないほどです。
フリーダの色彩感覚(フリーダ・カーロの日記#6)
Photo by Miguel Á. Padriñán,Pixabay
日記の中で、フリーダ・カーロは様々な色に対して抱くイメージを記しています。その中で特に目を引くのは、メキシコ人であるがゆえの彼女の色彩感覚です。例えば非常にメキシコ的だなと思われるのは、赤紫を 「 ノパールサボテンの実が流す古い血 」 の色、茶色を 「モレ」 というメキシコの肉料理に登場するチョコレートソースの色をイメージし
ディエゴへの手紙 ―象と鳩の結婚―(フリーダ・カーロの日記#5)
Clarion Books; Frida & Diego: Art, Love, Life、2014
フリーダは人生で二度の事故に遭遇したと言っています。1つめは18歳の時のバスの事故、2つめはディエゴとの出会い。1929年8月21日、ディエゴとフリーダは結婚します。フリーダ22歳、ディエゴ42歳、まるで「象と鳩の結婚」と周囲は表現しました。
フリーダの日記にはあらゆる頁にディエゴが登場します
爆弾に結んだリボン(フリーダ・カーロの日記#4)
1938年にメキシコを訪れたアンドレ・ブルトンは、フリーダの絵を絶賛し、彼女の芸術を「爆弾に結んだリボン」と評しました。
ブルトンは、フリーダにニューヨークとパリでの個展を企画すると約束をし、フリーダはニューヨークでの個展終了後、1939年にパリに渡ります。しかし、パリで個展の準備は一向に進まず、フリーダはブレトンのいい加減な人柄に嫌気がさしてブルトンの家を出てしまいます。
その後、マルセル・
日記の自動描画に見るシュルレアリスム的要素(フリーダ・カーロの日記#3)
フリーダ・カーロの日記には、絵画の下絵やいたずら書き等、数々の素描が描かれています。彼女の線画に描かれる宇宙観や思想感は不可思議で目が離せません。
たとえばこちら。
P.38 EL DIARIO DE FRIDA KAHLO:UNA NUEVA MIRADA, La vaca independiente
青インクで描かれた複数の点と線の結合からなる暗示的な描画。点