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キャリアコンサルタントとしてしっくりこないもの

仕事は1日の時間において、3分の1ほどの時間を占めるもの。それだけ仕事=キャリアとはその人にとって大きな割合を占めるものです。私は自分自身のメンタルダウンをきっかけに、人のキャリア選択に影響を与えるような人間になりたいと考え続けてきました。その理想に近い仕事は人材紹介のコンサルタントや、カウンセラーだと考えています。そういった理由から、今は人材紹介の現場で働いていますが、なんとなくしっくりこないのです。自分が考えていたものとは少し乖離があるような…。

この乖離について、その正体は何かを掘り下げてみたくなり、完全に個人的な考え方を書いてみます。

人材紹介というのは適切な人材を企業に紹介する仕事です。人材紹介業のコンサルタントは候補者のスキルを棚卸して正しく査定し、数ある求人の中から候補者に合う求人を探して紹介します。企業人事は紹介された候補者を書類選考及び面接に進め、採用が決まったらビジネスが成立します。転職活動開始時の候補者へのヒアリングから入社決定までのフォローにはたくさんの時間、工数、コミュニケーションが発生します。その多大な工程を代行するところに人材紹介会社の価値があります。

転職をしたい候補者にとって、ある意味コンサルタントはマッチング相談員であり、早く転職を実現するために利用したい人、という側面があると思います。一方で人材紹介のコンサルタントは候補者の人生に全ての責任を負ってくれるわけではありません。そういう側面から、候補者は人材紹介会社の人に「自分はどう生きたいか?」ということを、本音の部分で話せないのではないかと感じています。もう少し現実的で表面的、具体的なことになる気がするのです。よって候補者とコンサルタントとの付き合い方は意外と表面的なものになっているのではないかと感じています。コンサルタントを本当に心の底から信頼できるか?という観点では、コンサルタントと候補者の双方に心理的な取引が発生するので、意外とあっさりしたやり取りになるのではないかと感じています。ボランティアではなくビジネスですから、双方にとって取引が成立して初めて成果と言えるでしょう。

実際に私は、人材紹介会社を何社も経験する中で、様々な考え方の会社がありました。色々な考え方がありますが、私が出した結論は人材紹介業は「営業」だということです。転職に関する悩みをぶつけたとしても、悩み相談の場所ではありません。悩みをコンサルタントにぶつけたところで、コンサルタントが最終的に求めるのは売上です。数字にならない悩みを聞くなら、他にもっと早急に転職を実現しなければならない候補者にパワーを割くでしょう。候補者の入社が決定して初めて売上になるので、コンサルタントは営利企業のフロントである、と言えます。

では話は戻って、候補者が「自分はどう生きたいか?」を心の底から話せる場所があるのだろうかと考えた時に、どうでしょう。私はないような気がしています。私が本当に支援が必要だと感じるのは、転職の前段階の「悩み」だと思うのです。

ここに向き合えるサービスはあまりありません。あったとしてもそのサービスにお金を払いたいと感じてもらえないと思います。事業をする側としてはどうしてもマネタイズが難しいと感じてしまいます。しかし本当はここがキモなんじゃないかと感じます。表面的な求人ばかりをあれこれ選んでいても、結局は足場がぐらついている状態なのです。

リスキリングも話題になっていますが、キャリアコンサルタントも万能ではありません。しかしキャリアコンサルタントの資格保持者の多くが、人材紹介の仕事に就いているのも事実です。営業マインドはかえってキャリアコンサルタントの役割において邪魔になります。「どう生きたいか?」の棚卸ができて初めてどこに転職するか?の話になると思うし、今話題のリスキリングをしようと思ったら、転職する以前に何をリスキリングすべきかを決めなければなりません。数字を追うべきフロントとしての自分と、売上度外視で候補者の「どう生きたいか?」という深い問題に向き合うことは、ある意味矛盾しているのです。キャリアコンサルタントの方々が何か悶々としてしまうのはこの部分なのではないでしょうか。

ここを解決したいと思います。キャリアコンサルタントの価値は営業マインドではないのです。私が人材紹介の現場で働いていて、なんとなくしっくりこない部分はここにあります。

人材紹介のコンサルタントは無形商材の営業であるという側面が強く、私が目指したいのはトップ営業でも、営業マネージャーでもないのだなと改めて感じました。

もう少し立ち止まって考えることを良しとし、それにお金を払う価値があると思ってもらえるような、面白いことができないかなぁ。マネタイズ難しいだろうなぁ。笑



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