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揺さぶられ日記

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うれしかったこと、悲しかったこと、怒ったことなどを書きます。
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#エッセイ

みんなやってる凄いこと

みんなやってる凄いこと

子どもってやつは、なんと教わることの多い存在だろう。

母になり、2ヶ月と少し。物理的にはお世話をしているけれど、精神的にはめっちゃ育てられているなと思う。

なにより、出産という壮絶な経験をたくさんの女性たちが済ましてきたという事実に、いまさらながらビビる。少なくとも1世紀分くらいの期間内に日本の人口一億数千万人分、この国のどこかで妊娠と出産が行われてきたのだ。そして今この瞬間もきっとどこかで、

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「女」ではなく「私」になるために

「女」ではなく「私」になるために

しばらく頭から離れない言葉があった。それは、文芸雑誌「文學界」3月号のリレーエッセイにて綴られた、島本理生さんの一文だ。

私は最近34歳になったのだけど、この言葉にふかく、ふかーく共感・納得した。というのも、2年前に結婚したとき、どこか「宿題をひとつ終わらせた」ような感覚になったからだ。

そして結婚して1年が経った頃、島本さんが言うように、私が「私」になったような感覚を得た。「30代の女」では

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男を追いかけて沖縄に移住したら、軟禁されて一生涯の仕事に巡り会えた話

男を追いかけて沖縄に移住したら、軟禁されて一生涯の仕事に巡り会えた話

なんちゅータイトルだろう。だけどこれから書こうとしていることを要約したら、こうなってしまった。

それもこれも、noteの #あの失敗があったから  というハッシュタグを見つけて、どうしても私の失敗を書いてみたくなったのである。

これから書く話は思い出しただけで恥ずかしい話なのだけれど、もう少し大人だったら、もしくは賢かったら絶対にしないだろうことをしてしまう馬鹿な自分のおかげで得たものは計り知れ

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空の写真を送る

空の写真を送る

ずっと、定期的に空の写真や動画を送っている相手がいる。返事はないけれど、送り続けている。

送っている相手は昔バイトしていた居酒屋の同僚だ。仮にK君とする。当時K君は店長で、わたしは接客と集客を担っていた。

わたしとK君が出会った当初、彼は20代だった。見た目はそれなりに今風でイケメンの類に入る男でありながら、とても古風な人柄が印象的だった。いつも言葉が足りなくて仕事では大分苦労していたようだが

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