ゆめうた

ゆめうたと申します。夢歌と名付けた夢日記や私の中の非日常な話、ときには日常の話も書くか…

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ゆめうたと申します。夢歌と名付けた夢日記や私の中の非日常な話、ときには日常の話も書くかもしれません。読んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします。

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  • 夢歌〜夢の話〜

    私が眠っているあいだに見た夢の話だけをまとめています。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめまして。ゆめうたです。

あなたはどんな夢を見ることが多いですか? 眠っているときに見る方の夢です。 因みに私は悪夢が多いです。 ときどきは物語のような夢を見ます。 ファンタジー、おとぎ話、歴史もの、少女の恋からの戦争もの、スリラー、サスペンス、ホラー、そしてスプラッタなど、アーティスティックな悪夢まで。 その様はまるで映画を見ているかのようです。または五感付きでとんでもなくリアルです。 私はそんな夢の話に「夢歌」という名前をつけて書いていくことにしました。私の中で生まれる非日常な話と、と

    • 2022年6月3日(金)

      バスを待っていた。 日差しは強く、足元には蟻が忙しなく歩き回っている。 弱った蜂がアスファルトを這っていた。 脇では蝶の死骸が蟻に運ばれている。 蜂は蟻の群れを避けるように車道へ向かっている。 その方向はデスロードだぞ。 心の中で声をかける。 スピードを出した自動車が通り過ぎる。 一台…二台…三台… チッと音がして紙のように蜂が転がった。 カフェでコーヒーとチョコレートをゆっくり味わっていた。瞑想のような静かな時間。 転がった蜂の姿とチッという音が甦る。 飲み干したコーヒ

      • いつかの2月3日(木)

        淵に澱む水は 今 眠りから醒めた 私を閉じ込める川底の窮屈さに 渦を巻いて暴れ出す

        • 願えば叶う

        • 固定された記事

        はじめまして。ゆめうたです。

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        • 夢歌〜夢の話〜
          10本

        記事

          夢歌9ある日、言葉の意味が変わったら

          「fever」 教室の後ろにある書類の引き出しの前で私が言うと、その女性は不愉快そうに顔をしかめた。教室は講義の最中で、私たち以外は静かに講師の声に耳を傾けている。 「それ、どういうつもりで言ってるの?」 思いがけない反応に私は戸惑った。 「…え、ね、熱」 すると女性は苛立ちを隠しもせずに言った。 「どこにそんなことが書いてあるのよ」 私は急に不安になり動悸がしてきた。 「あの、マドンナの歌で…。確かそんな歌があったと…」 緊張のあまり、言葉の途中で私はない

          夢歌9ある日、言葉の意味が変わったら

          はたらくことを考える前に

          はじめに結論から言うと、社会人になって20年を過ぎても、私は働くことに金を得る以上の意味を見出せないでいる。おまけに現在病気療養で休職中の身だ。 なので、どうすれば社会に貢献できるかとか、働くことを通じて自己実現できるかなどという、レベルの高い話はできない。 この記事は、はたらく以前のところで私と同じように躓いている人に向けて書こうと思う。 もし、そんな人がいたら最後まで読んで欲しい。 わたしの“はたらく”イメージそもそも私は、働くとか社会人とか大人という言葉に、ネガ

          はたらくことを考える前に

          食べてはならぬと香りが告げる

          「まだトリュフの香りが残っている…」 宝塚雪組の去年のお正月公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の劇中での、海が見えるレストランでヌードルスからフレンチをご馳走されたデボラの台詞。 トリュフの香りってどんなだ? そんなにうっとりとするほどのものなのか? テレビではみたことがある。 料理の上にスライスしたグレーのサラミのようなものが数枚乗っているのを。 そしてカルディでトリュフソルトなるものが、お手頃価格で売っていることを知っている。 ト

          食べてはならぬと香りが告げる

          夢歌8 ちりゆくひとの

          じじじと音がして目の前がほの明るくなる。 スクリーンに茶色い革の表紙の本が映し出される。誰もいないのに表紙とページがめくられる。 手書きだ。 私には文字が読めない。何語だろう。日記だろうか。 黄味がかったページが遠ざかり、空が映し出される。地上から見上げる空ではない。飛んでいる。 やがて空の向こうから点のような小さな物が近づいてきて、その姿を見せる。プロペラ機だ。古い。 私は飛行機には詳しくない。 けれど操縦士がつけている耳当て付きの帽子や飛行用の眼鏡は、昔の様

          夢歌8 ちりゆくひとの

          夢歌7 またおまえかよ!

          「これ、なんだと思います?」 私は白い戸棚の扉をあけて、中に陳列されている箱をあごでさした。 廊下から部屋のドアをあけると、正面に床から天井まであるその収納庫がある。中には白く塗られたブリキのふた付きの箱がぎっしりと詰まっている。 「触らない方がいい気もするけど、気になりますねえ。」 私は試しに目線の高さにある箱を引きずって引っ張った。意外に重い。 「どこにあるんすかね、アレ。」 キタザトさんをはじめとする我ら捜査係は、白い部屋でブツを探している。 「ユミちゃん

          夢歌7 またおまえかよ!

          2021年note書き初め初夢話

          初夢を見た。 幸せな夢と、縁起でもない夢と、またお前か、の三本立てだ。 いつも夢でネタを探しているので、私にとってなかなか幸先のいいスタートだ。 noteは夢日記を書くために始めたのだけど、見返してみると日常日記が優勢になっている。 最近体調が落ち着いているので、夢を覚えていないことが増えたからだ。 というわけで、 少し前まで気持ち悪い夢の話を書いていいのかかなり迷っていたけど、今年は堂々と書いてみようと思う。 本年もよろしくお願いします。 ではどうぞー👉

          2021年note書き初め初夢話

          一杯を味わう

          ときどき行きたくなるカフェがある。 普段家では何杯もおかわりして飲んでしまうコーヒーや、ポイポイ口に放り込んでしまうチョコレートをここでは一口ごとに大事に味わいたくなるのだ。 私は何を飲んでも食べても大体美味しくいただけてしまう。なので感想がいつも「美味しかった」になってしまう。食レポ向きではない。 ごくたまに、苦手な風味のものに遭遇したときは「石油のにおいがする」「これは消毒薬のような風味」と感じることはある。次の一口が恐る恐るになるのでゆっくり味わうことになってしま

          一杯を味わう

          夢歌6 銀の粉

           読みかけの文庫本を手に、廊下を歩いている。  壁の色はアイボリー。廊下も同じ色で、右端にこげ茶のラインが二本走っている。  両側の大きな窓からは、昼過ぎの日が差し込んでいた。  明るく清潔な建物だ。  窓には樹々のてっぺんの濃い緑が見える。その下には小さな中庭。あの樹の下には、草枯れの芝生と小さなベンチがある。木陰のベンチで読みかけの本を読んでしまおう。  そんなことを考えながら、突き当たりの階段へ向かった。  空中を旋回するような透明なガラスにおおわれた螺旋階

          夢歌6 銀の粉

          サヨナラ禁酒法

           ときは「新型」禁酒法時代、ところはOSAKA。 Bible Club Osaka そのお店を知ったのは、宝塚雪組の「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」を観たあとでした。  Twitterの雪組沼の住人の元へ、「禁酒法時代のアメリカのスピークイージーそのもののお店がある」という情報が流れてきたんです。添付されているお店の写真は、公演ポスターやプログラムのように素敵で、今にもギャングのヌードルスが現れて、マックスたちと「仕事」の話が始まりそうな雰囲気の

          サヨナラ禁酒法

          クリスマスメニュー

          まだ20日もあるではないか、 と言うなかれ。 月日は百代の過客にして、 行きかふ年もまた旅人なり。 違う。 師走だ。 とにかく師走だから、 そぞろ神の物につきて心を狂はせ クリスマスごはんの妄想などして 違った。 予定を立ててみます。 予定は未定につき、 つまり 写真はまだない、ので 先月の自分の誕生日ごはんを 代わりに載せておきました。 以下、妄想。 オードブル ・ウルティマツーレの11.5cmのボウルに、  焼いたカチョカバロチッコロ。  その周りに半切りの

          クリスマスメニュー

          夢歌5

           非常階段を上っている。  最上階に着くと、スチールの扉があった。  その扉を開けてはいけない。  頭の中で声がする。  ジャンジャンと鐘を打つように頭が響く。  私は自分の声が止めるにもかかわらず、別の声に誘われるように扉のノブに手をかける。左に回して扉を押した。  薄暗い部屋の中は倉庫のようで、沢山のダンボール箱が積み上げられ、窓をほとんどふさいでしまっている。  そのすきまに人影のようなものがいくつも立っている。  首のないマネキンだった。  木のよう

          夢歌4

           なーちゃんとサシでのんだ。    そこは小さな芝居小屋を改装した飲み屋で、ステージはそのまま残してあった。  舞台の床にはリノリウムがはってあって、丸テーブルには白いテーブルクロス、黒く細長い背もたれにワインレッドの張地の椅子が二脚、上手の客席側と下手の舞台奥側にそれぞれ配置されている。  そこにも客が座るのか、なにかイベントがあって演者が出るのかはわからない。  客席の床はフラットで、最近流行りのインダストリアルデザインとかいう作業台のような大きな分厚い木の板と