見出し画像

食べてはならぬと香りが告げる

「まだトリュフの香りが残っている…」

宝塚雪組の去年のお正月公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』の劇中での、海が見えるレストランでヌードルスからフレンチをご馳走されたデボラの台詞。


トリュフの香りってどんなだ?

そんなにうっとりとするほどのものなのか?

テレビではみたことがある。

料理の上にスライスしたグレーのサラミのようなものが数枚乗っているのを。

そしてカルディでトリュフソルトなるものが、お手頃価格で売っていることを知っている。

トリュフチョコレートとは関係がないこともとりあえず知っている。あれはガナッシュクリームを丸く固めて、クーベルチョコレートでコーティングしたものだ。私はあれを常温で放置して、液体にしたことがある。つい2週間前のことだ。


テレビで聞いた。

「トリュフ塩めっちゃ美味い。これかけたらなんでも美味くなる。」

「石油のにおい。」

どっちが本当なのだ?

すみません、さっさと言います。

カルディでトリュフ塩を買いました。

画像1

知ってるこのにおい。

例えるなら

ファンヒーターに使う灯油のにおい。

いやもっと個人的な感想を言うと、私がお付き合いしてる彼氏のにおいだ。

トリュフが好きな人もどうか私の彼氏にかぶりつくのはやめて頂きたい。

トリュフが苦手な人も、えっ?人間の身体からそんなにおいが?などと言わないでほしい。

私の彼氏は建築のお仕事をしている。そこで使う溶剤のにおいに似ているのだ。

それは、本能が「食べものではない」と訴えてくるようなにおいだ。

SNSでオススメされていた、ゆで卵につけて食べるという一番簡単なものを試したが「美味い!」とはならなかった。

いったいこの臭いはなんなのさ!

ちなみにカルディのトリュフソルトの原材料名は

食塩(国内製造)、トリュフ/香料、微粒二酸化ケイ素

だった。

ちなみに、黒トリュフメラノスポロームの主要香り成分は10種類近くあって、その中にアセトンがある。

ビンゴ!

彼はお仕事でアセトンを扱っている。

アセトンは、女性にはネイル落としでお馴染みかもしれない。(今どきはアセトンフリーを選ぶと思うけど)

間違いない。彼氏のにおいだ。

ジメチルスルフィドとかキャベツの腐ったにおいだよ。

食べるな危険だ。

しかし私の好奇心はおさまらない。

なんとかして美味しくいただいて、宝塚の真彩希帆ちゃん演ずるデボラのように、そっと胸を押さえ「まだトリュフの香りが残っている…」なんて言ってみたい。

においの強いものには、においの強いものを合わせてみる。

ちょうど家に白カビタイプのチーズがあったのでトリュフ塩をつけてみました。

そしたらね、美味しいんです。

あ、トリュフ自体に殆ど味はないそうなので、口に含んだときに鼻に抜ける香りですね。

指についたにおいも何度も嗅ぎなおしました。

チョコレートみたいなにおいがする!

トリュフチョコレートを指でつまんで食べたあと、粉のついた指をぺろっと舐める直前の香り。

いい匂いだ!

これこそ私の求めていた「トリュフの香りが残っている」だ。

しかし私が感じているのはチョコレートの香り。


…だったら、チョコレートでいい…んじゃない…?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?