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家族の道

夫と私は結婚してから20数年経つ。

夫は仕事で家にいないことが多くて、家事を手伝ってくれることはほとんどない。子供たちに手がかかるころは本当に大変だった。多分、育児鬱と言ってもいい状態だった時期もあると思う。子供たちが小学生の頃に、私の父と夫の母が同時期に末期がんになってしまったこともあった。今思い出しても許せないと思うくらい腹がたったこともあったし、泣いたことも数えきれない。夫は夫で、私に対していろいろな思いを抱いてきたに違いない。

それでも、なんとか一緒に家族として過ごしてきた。イメージとしてはお互いに向き合うというより、共に前を向いて歩いてきた感じ。子供たちと手をつないで、みんなで前を向いて歩いてきた。坂道、まっすぐ道、石ころだらけの道も。誰かが遅れそうになったら手を引き、励まして、面白いものが見えたらみんなで笑って、一歩ずつ歩いてきた。

そろそろ、子供たちとつないだ手を離す時期が来ている。彼らもまた、誰かと手をつないで歩いていく。これからも、子供たちが歩くのを見守り続けるけれど、もう手をつないで支える時ではなくなったのだ。

そして、この先も夫とは手をつないで行くのかな。

ずっと前だけを向いて歩いてきたけれど、これからは少し横を向いてお互いを見ることも必要かもしれない。結婚した時と比べたらずいぶん歳を取ったお互いの姿が目にうつるだろう。その姿も受け入れて、今までよりは少し歩みをゆるめて少しずつ前に進んで行きたい。

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