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読むのが苦手なら書いてみる?・・話すように書いてみる

塾で小学生を担当していた時に、文を書くのが嫌いな子がたくさんいました。

国語の問題で、長文を読んでから設問に答えるというよくあるスタイルの場合、最初の方は記号選択式で、最後が記述式で配点も高いので「書く=難しい」というイメージがついてしまうのかもしれません。

国語の教材の内容も、最初は読んでそれから書いてみるという順番が多いです。

だからなのかはわかりませんが「書くのは高度な技で読むのより難しいのだから、読めない人に書くのは無理」という公式ができてしまっているようでした。

・・・国語が大嫌いな男の子がいました。親御さんに優秀な弟と比べられたり、学校で勉強が苦手なことをからかわれたりして、自分は頭が悪いから勉強しても無駄だと思い込んでいました。中でも国語が特に苦手で、書くなんてとんでもないと思っていたのです。

でも、その男の子と話すと頭の回転が早いことがわかりました。会話のテンポが速いし、こちらが全部言わなくても「あ~、そうだね。」と理解する力もありました。それなのに、頭が悪いと思い込んでいるのは勿体ないと思いました。

その時扱う内容は「詩・俳句」でした。与えられた詩の読解をして設問に答えるものでしたが、普段は使わない言葉をたくさん使っている詩で、その男の子が興味を持つとは思えませんでした。

そこで、普段使っている言葉で文を作ってみることにしました。

まず、ホワイトボードに書きます。

犬がいます。

「どんな犬だと思う?」「うーん、白いの。」

白い犬がいます。

「かわいいの?こわい?毛はどんなかな?」(生徒は犬を飼っています)「ふわふわでかわいい」

ふわふわでかわいい白い犬がいます。

「最初の、犬がいますより、どんな犬かずっとよくわかるようになったよね。白いものって、何がある?」「うーん。バニラアイス。」

ふわふわでかわいいバニラアイスみたいな犬がいます。

「白いって書いてないけど、バニラアイスみたいって書いたら白いってわかるね。色とか、かたちとか、似たようなものを見つけて書き換えるといいよ。詩みたいになるよ。」「じゃあ、茶色はうんこ色!」楽しくなって、調子に乗ってきました。でも、ホワイトボードに書きます。

ふわふわでかわいいうんこ色の犬がいます。

「うんこ色だと、かわいくなさそうじゃない?」「いいの。」もう、ここからは小学生男子が大好きなうんこ・おならワールドに。でも、いいのです。大嫌いな国語が楽しくなったことがまず嬉しいです。

その後、気分よく俳句にも挑戦して「クリスマス」「雪だるま」という簡単な季語を提示したら、自分で俳句が作れました。

「国語ヤダー!」と連呼していた子が俳句を作れたなんて、感動してしまいました。

本を読む習慣がない子はボキャブラリーが少なくて、教材を読むのが難しいことがあります。もちろん読めたほうがいいのですが、先にいつもの言葉で書くことから始めたら「国語アレルギー」がなくなるかもしれません。

※「うんこ」をホワイトボードに書いたり話題に出したせいで、上司に後から叱られました・・・。

家にいる時間が長い今、話すように書いてみてはいかがでしょうか?親子合作の文づくりも楽しいですよ!

親子で交換日記もおすすめです。




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