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山梨でプーランク④オーボエソナタ

こんにちは、ウチダユメミ(@yumemiob_sub)です。
山梨に移り住んで、約3年。
ぶどう農家を営みつつ、
オーボエの演奏やレッスンなどの音楽活動をしております。

2023年4月1日にYCC県民文化ホールで
オーボエを中心とした室内楽で全曲プーランクのコンサートを行います。
オーボエの魅力やワイン県・山梨だからこそ
フランスの作曲家・プーランクの素敵な曲たちを
広く山梨の皆さんに知って頂けたらいいなぁという想いがあります。

プログラムノートをコンサートの前に公開

#山梨でプーランク 」note第四弾

それでは、本編へ!

オーボエ・ソナタ(1962年:FP185)

オーボエ奏者にとって大事なレパートリーの一つである、このオーボエソナタ。晩年にフルート、クラリネットのためのソナタを次々に作曲している。その最後が本日、演奏するオーボエソナタ。
この曲を作曲した翌年にプーランクは亡くなっているのでプーランク自身の遺作に匹敵するとも言われている。
初演は1963年6月8日なので、プーランク本人はその演奏を聴いていない。
この曲は、亡き友「セルゲイ・プロコフィエフの思い出」に捧げられている。

楽器の特性を最大限に活かし、通常のソナタとは違った構成、美しい旋律、重厚な和声などをお聴き頂ける。
その一方、ソナタ全体を通して、「死の影」のような悲愴感が漂っており、特に第3楽章はプーランク自身も「典礼の歌に近いもの」と語っている。

典型的なソナタの形式は【急ー緩ー急】であるのに対して、
この楽曲は【緩ー急ー緩】の形式で描かれている。

第1楽章「悲歌」


Elégie (Paisiblement, sans presser)(静かに、急がずに)
1小節のオーボエソロで始まり、歌曲を思わせるト長調の温かな第1主題、付点音符で彩られたニ短調の第2主題が提示される。
第2主題は苦悩・憧憬・追憶の象徴として用いられることが多い。激しい展開部では第2主題が扱われている。
それから少し形を変えた再現部、回想シーンのような展開部、短く静かなコーダで閉じる。
第2主題は調性を変えて最終楽章でも登場する。

第2楽章「スケルツォ」

Scherzo (Très animé)(元気に)
ABA形式の非常に速い楽章。
A部分は畳み掛けるような音符の連打、歯切れの良いパッセージが特徴的である。
B部分の甘く切ないメロディは、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」へのオマージュである。

第3楽章「嘆き」

Déploration (Très calme)(きわめて穏やかに)
表題の「Déploration(デプロラシオン)」はキリストの死を十字架の下で嘆き悲しむ母・マリアの様子を描いた絵画作品のこと。
楽曲の形式は変奏曲形式と3部形式の組み合わせ。
変奏曲だが変化するのは調性と強弱のみ。
ピアノの持続和音の上をオーボエが旋律を奏でる形になっている。
その旋律は長調と短調の間を揺れ動き、明確な解決を待たずに弱々しく終わる。

コンサートチケットインフォメーション

4月1日YCC県民文化ホールでのコンサートチケットのお申し込みは
下のリンクからも承っており!


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