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東南アジアの友人

 東南アジアの友人が傍らにしゃがんでおり、彼のメアドをきいていた。私は表を作成し、そこに当てはまる文字かどうか何度も確認した。最も当てはまるものは赤文字にし、次を青文字にし、それを何か所かやっていた。
 そうした最中に、彼は無言のまま去っていき、文字の色はリセットされて大きな表だけが残った。言葉が通じる連中が、我々の背面を通り過ぎたので、それに混じって行ってしまったらしい。
 少し直前に戻り、そこでは焚火をしていて、僅かに雑草が生えているだけのこげ茶色の土が続き、その周りには林の影が見えていた。友人は焚火の上に大きなナマコのようなものをのせ、これは何かの幼虫で、早く焼いて食べないと成長してしまうという話をしていた。それが良く焼けるように、石の位置を工夫した方がいいのではと思っていたが、彼は木の枝でそいつを裏返すと、のっぺりとした表面とは異なる鋸状の歯で囲まれた大きな口が現れた。
 私はその幼虫が向うの林の中に沢山いることがわかり、後方のあばら家に退避し、三方にて藁でできたベッドの左側に横たわった。幼虫が焼けている匂いがし、彼は一口でそれを食べただろうと想像した。一口でなければ危険だからだ。
 その後、私は友人を囲む集団のひとりになっており、彼らと一緒に海に向かった。海が近いということを知ると、波の音がしてきて、快晴の下に黄金の海が開けた。


《友人が出てくる作品を紹介します》
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飲み屋の出来事


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