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より深く、より身軽に

「より深く、より身軽に」。

これは、僕の人生のテーマであり、僕がこれから何十年という年月をかけて、表現し続けることです。

ここ数年で、「ミニマリスト」という言葉が一人歩きしているように感じます。ミニマリズムという考え方は、人生をより豊かにするための手段です。それを履き違えて、物を減らすこと自体が目的になってしまっている状態の人が多いです。ミニマリズムの本質は、モノを減らすことではなく「選択と集中」です。自分の興味のあることにより多くの時間を注ぐことが目的です。

僕にとってのミニマリズムは、「より深く、より身軽に」ということです。

物が多いとか少ないとかではなく、まず必要な要素としてあるのが身軽であるということ。何かに取り組むときは、身軽な方が始めやすいです。私たちは、気づかないうちに見えない重しを背負ってしまうことが多いです。例えば、仕事であったり、家族であったり、日々の生活であったり...。習慣されているが故に、案外身動きが取れないことが多いです。それは、私たちが社会で生きているから当然のことだと思います。僕は、その当たり前を常に疑うようにしています。HSS型HSPであるからことも影響して、普通の人よりも僕は日常生活から違和感を察知しやすい特性を持っています。

その違和感を察知することができたら、次のステップに進むことができます。それが、自分をより深化させることができるかどうかです。深く潜り、深淵に触れることで、物事の本質を捉えていきます。身軽であるだけでは、身軽になることが目的になってしまいます。最も大切なのは、深さ。奥行。自分の想像では計り知れない世界に飛び込むことは、誰もが躊躇してしまいます。それは、恐怖心と今まで自分が作り上げてきた自尊心が邪魔をするからです。自尊心を捨てるわけではありません。それが虚栄心で固定化されたものであれば、捨てていくことです。年齢を重ねると、守べきものが増え、どうしても攻めることができなくなります。それが当たり前になってしまうと、どんどん時代の変化に置いてきぼりになります。

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僕は、常に自分の写真を疑うようにしています。今日、いい写真が撮れたと思っても、明日になればその写真が本当にいい写真なのかを検証します。そうすると、ほとんど駄作に成り下がります。なぜ、そうなってしまったのかを写真から分析をして、次の撮影で改善していきます。この作業は、本当に深く自分の写真を批評しなければいけないので、時間と労力を要します。これを続けることで、自分の感性は研ぎ澄まされていきます。一日で劇的に変化することはありません。毎日ほんの少しずつ密度を上げていきます。おそらくこれからもずっと自分の納得のいく写真は完成しないと思います。だからこそ、限られた時間の中で、その時その時により良いものを作り続けることです。だから、何かを決めつけることは自分の見方を固定化させることにつながります。これは、身軽かな?と観察をして、そこから深く潜っていくことが大切です。

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その連続の中で、新しい発見を大いに楽しみましょう。それを僕は、日常を旅することと定義しています。物理的な距離として遠くに行くことが旅なのでしょうか。僕の考える旅の本質は、自然とそこで出会った人々との交流を通して、自分自身がいかに狭い世界で生きてきたことを体験すること。その土地の文化・習慣を全身で感じながら、旅をする度に新しい問いが生まれること。そんな偶然性が人生のより豊かにしていくのだと思います。

僕自身も、数年前までは遠くに行くことが旅の醍醐味だと思っていました。綿密に計画を立てて、旅の時間を一秒足りとも無駄にしたくはないと、誰もが考えるはずです。そんな僕は、コロナ禍で『ざつ旅-That's Journey-』という漫画に出会い、その考えを大きく変えることにきっかけとなりました。

あらすじ
新人漫画家の鈴ヶ森ちかは、ネームを持ち込む度に全ボツを食らっていた。
心が折れかけた彼女だが、唐突に旅に出ることを思い立ち――。
ざつな旅だからこそ癒やされる、究極旅コミック!

この漫画の面白いところは、毎回旅の行先はSNSに委ね、投票が多かった地方に旅に出ることです。下調べも目的地に向かう途中で行う程度で、観光も食事も、そして宿すらもその場その場で決める、と言った感じです。ほとんど調べないからこそ、上手く行かないこともあり、行き当たりばったりなことが当たり前です。私たちは、SNSで口コミを見てから極力失敗を避けてしまいがちです。自分の目で見たこともないのに、自分の信頼する人からの情報で判断していることが多くなってはいませんか?テクノロジーの進化とともに、失敗することが難しくなっています。今の時代に必要なことは、失敗することも含めて純粋に日常を旅しながら楽しむことだと思います。

僕は優柔不断であるから、このくらいゆるーく旅するなかで、「より深く、より身軽に」を表現していきたいと思えるようになりました。まだ迷いながらではありますが、写真だけではなく、映像でも表現することに挑戦しています。今、YouTubeは方向性に悩んでいて、更新ができていません。再生数に依存しない自分にしかできない表現を探究していきたいと思っています。来年には、少しずつ更新できるかな?という感じです。

岩手・青森編

長野編

福島編

旅をしながら、写真と映像ともにクオリティを求めれば求めるほど、身軽さとは程遠くなっていくのが課題です。また、旅を純粋に楽しむことが目的なはずなのに、いつの間にか撮影することが目的になってしまっていることも悩んでいます。「より深く、より身軽に」と言葉にするのは簡単ではあるけれど、想像以上に難しいことを身を持って体験しています。旅で感じたことを記録として残すこと。また、時間をかけて一つひとつの点を消費して終わるではなく、点と点を繋げて線として旅を捉え直すことこそが、僕にとって心地よいと感じる瞬間です。この線を積み重ねた先に、自分の考えていることがより立体的な輪郭を描いていけるようになると思います。

自分のスタイルに合わせて、これからも写真を撮り続けていきます。

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