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付き合ってすぐ«目移り»された話

付き合って2週間後。
それまで毎週会っていた私達だが
私の用事で、2週間会えなくなった。

会えないの申し訳ない…
その代わり次会う時は、たくさん一緒に
ゆっくり過ごそう、そう私は考えていた。

けれど、会えなくなったと伝えてから
彼の様子がなんかおかしい。
LINEの返信?言葉遣い?なんか違和感。

こういう時の、女性の勘は当たるもので
友人に頼んで彼の婚活アプリのアカウントを
確認してもらった。
私は既に退会していたのでそっとね。

すると、なんということか
私にはLINE返信すらしていないのに
彼は婚活アプリにログインしていた。

私はショックだった。
仕事や友人とのプライベートなど
私よりも大切なものは沢山ある。
それを私は理解しているし、だから
常に私を優先して欲しいとは言わない。
けれど、婚活アプリよりは優先してほしいと
正直思う。一応彼女なので。

私の様子を見た友人が
「ただログインしてるだけかもやん?」
と言って、彼の様子を見るために
彼にイイネを押した。
マッチングしなければいいし
そうすれば彼を信じられるでしょ?と。

その期待は見事に裏切られた。
私には相変わらず返信が無いが
無事マッチングし、メッセージがきたのだ。

『いいね、ありがとうございます。
趣味合いそうですね、よろしくお願いします』

悲しくなった。
うん、これはバカにされている。
私はキープされたい訳では無い。
自分から告白しておいて失礼だ。

友人にきたメッセージを見た瞬間
彼に電話をかけた。
電話は繋がらず、折り返しLINEがきた。
『今日予定なくなったから残業してた。
電話出れなくてごめんね』と。

もう何も信じられない。
もう一度電話をかける。彼は出た。

「どうしたの?」
「ねえ、今アプリの人と何人やりとりしてる?」
「え、ほとんど切れて、ほぼしてないよ」

(ほぼってしてるのがおかしいやろ…)
頭の中で突っ込みながら私は質問を続けた。

「正直、今もアプリ続けてるよね?」
「次会った時に一緒に退会しようと思ってた」
「もう隠さなくていいよ、私の友達とやりとりしてるやんね?」
「あー…そういうことか、ごめん」

のらりくらりと隠そうとしてた
そんな彼に嫌気がさす。

「2つ質問させて。ひとつは私と別れたくて、アプリやってるのかってこと。もうひとつは、なぜ私に告白したのか教えて。」

「別れたいなんて思ってない。
そこまで深く考えてなかった。
普段、いいねを貰うことなんてないから
どんな人が自分に興味を持ってくれたのか
知りたくなって返信してしまった…」

「それをされて私がどんな気持ちになるか
想像できなかったの?バレなければいい?」

「ごめんなさい…」

「私はキープされる気は無いの。
私と一緒に過ごして、合わないなって
他の女性も見たいと思ったなら素直に話して。
それなら受け入れて別れるよ。
まさか数週間でこんなことされるなんて
全く思ってなかった。どうして私に
付き合おうって言ったの?」

「今まで誰とも、こんなに会話が
続くことがなかった。一緒にいると楽しくて
居心地よくて、だからこの先も見据えて
一緒にいたいと思って告白した」

(この先も見据えてね…随分軽い覚悟だ。
前の彼もそうだけれど、そんなものか)
私は冷静になっていくのを感じた。
そして続けた。

「私はショックだった。すごく悲しかった。
こんな事をされるくらいなら最初から
告白しないで欲しかった…」

「ごめんなさい。あとやってしまった理由に
不安で寂しかったのもある…。
週末会えるのをすごく楽しみにしていて
それがなくなって寂しくて。
あとそっちに好かれてる自信もなくて。」

「そう思わせたならごめんね。
それは私が悪いね…
会えないの私も寂しいよ。だからこそ
会えなくても、電話で少しでも話せたらとか
会える時に少しでも長くいれたらとか
代替案を考えてたんだよ。
あと私は、彼くんの言葉や行動から感じる
気遣いや優しい所、内面が好きなの。
一緒にいて居心地もよくて、だから
ずっと一緒にいたいと思ってる。
面と向かって言うのは照れくさくて
電話だから言えるのかもしれないけれど
ちゃんと私は好きだよ。」

「それは素直に嬉しい、ありがとう。
本当にごめんね、馬鹿なことして。」

「うん…私は悲しかったから
もう二度としないで欲しい。」

「うん、もう一生しないよ」

「約束だよ?きっと今、目の前にいたら私
じとーって疑った目をしてるよ?笑」

「なにそれ。笑」

最後は少し笑い口調にしたけれど
心では泣いていた。
やはり私は、軽く扱われる存在なのかと。
前の彼もそうだ。結局、好きと言葉で言っても
最後は別の女性を選んだ。

『やはり男性を信じられないな』
そう思う私がいた。でも同時に
『それでも、信じられる人に出会いたい』
そう願う自分もいた。

彼とこれからどうなるかは分からない。
でも別れるのは簡単だから
もう一度だけ信じてみようかと思った。

彼は「もっと怒ってもいいんだよ?」と
私に言ってきた。

「怒られた方が彼くんは楽だもんね。
でも私が怒ることに意味は無いんだよ。
人の気持ちは変えられないからさ。
彼くんがほかの人に惹かれるなら
私が何を言っても仕方ないでしょ?
それなら、私は怒るではなくて
正直な気持ちを伝えるだけにしたいかな。
私は一緒にいたいよ、だから
もう二度としないでほしいよって。」

「そっか…わかった。
きっと調子にも乗ってたんだと思う」

「え、どういうこと?」

「アプリでこんないい人と出会えるとは
思ってなかった。だからもっと他にも
いい人に出会えるかなって欲が出たんだと思う」

馬鹿正直な彼だ。
でも最初のように隠すよりはずっといい。

こうやって突っ込みつつも
お互い正直にやっていけたらいいな。
最終的にどうなるかは分からないけれど。

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