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夫の転職活動 #2



夫と転職エージェントとのZoom面接の時間が近づいてきた。

「このセーターどっちの色がいい?」
とグレーとベージュのセーターを持ってきたので
ベージュのセーターを選んであげた。
夫は誰がどう見てもイエベ秋なのだ。
(ちなみに下半身はジャージである)
PCに付けるリングライトも貸してあげた。
丸じゃなくて星型なので
推しの子みたいに目の中に星が映るかもしれないが、暗く見えるよりはマシだろう。
ていうか、やっぱり初めてのデートみたいやな。

面接の何日か前、
文章がおかしくないかチェックしてほしいと
夫に職務経歴書を見せられたのだが、
そこには私の知らない夫がいた。
そもそも仕事の内容に機密事項が多いので
夫は基本仕事の話はしない。
経歴書には私には難し過ぎる言葉が山程並んでいて
この人は私の知らないところで
沢山いろんな仕事してたんだなぁ、と
今更ながら思った。

面接の間、私は寝室でのんびりスマホを見たり、
読みかけの本「舟を編む」を読んだりした。
何故だかなかなか進まないのでいい機会だ。

さて1時間とちょっとの面接時間が終わり、
「終わったよ」
と夫が寝室にやって来た。
当然ながら何を話したか長々と説明される。

結果からいうと
50代での転職は非常に難しい。
なんと100人に3人しか成功しないそうだ。
(なにをもって成功というかは置いておく)
夫の希望は、
なるべく年収は落としたくなくて、
なるべく現在の居住地からも引っ越したくなくて、定年が65歳の会社、
という強欲なものだったから
尚更難しい、いやほぼ不可能だろう。
ただひとつだけ、
年収が多少下がっても行きたい業界があるのだが、
そこはエージェント側がネタを持っていないようで、
「ウチだけじゃなくて他のエージェントさんにも
登録してみてもよろしいかと」
と言われ、ほぼ匙を投げられた印象だ。

夫は「とりあえず今の状況がわかってスッキリした」
と言っていた。
定年まで今の会社にいるそうだ。
いや、再雇用されんかったらどうするん、
という私の心配は置いておこう。
夫の仕事にも世代交代の波が来ているらしく、
先日は自分の仕事の求人広告を書かされたらしい。
それ軽いパワハラじゃないの、とか思ったけど、
人が足りないのは事実なので
しょうがないかと思ったようだ。

身体は元気なのに、あと数年で
今までのように働けない、
稼げなくなる、ということが
とても不思議な感じがする。
それが定年だよと言われても
まだまだ納得できない人も多いだろう。
人材的にも非常にもったいないと思うのだが。

私としては、とりあえず夫の仕事が
しばらくそのままということが確定したので、
次は自分の事を考えようかなと思っている。

(また進展があれば書きます)













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