資源・エネルギー・環境教育雑記帖(18)〜教科書で扱われている資源・エネルギー・環境(中3理科・炭素と窒素の循環)〜
2023年より、資源・エネルギー・環境教育の推進に深く関わってきました。
この分野への興味を抱き、暇を見つけては関連する書籍を読み、研究を重ねています。
同じ関心を持つ仲間たちと立ち上げた研究会では、教育における資源・エネルギー・環境問題の扱いについて積極的に議論を交わしています。
この不定期連載では、教科書に記されていることを踏まえ、中学校及び高校での資源・エネルギー・環境に関する教育内容をご紹介します。
今回の記事では、中学3年生の理科の教科書で綴られている炭素・窒素の循環と微生物の関わりについて綴っています。
分解者としての微生物の役割
中学3年生の理科の教科書では、微生物が分解者として果たす役割に注目しています。
微生物には、顕微鏡でしか見ることができない多様な生物群が含まれ、バクテリア(細菌)、アーキア、菌類、原生生物、ウイルスまで広範囲に及びます。
中学の理科教科書では主に菌類(例:アオカビ、シイタケ、酵母)と細菌類(例:乳酸菌、納豆菌、大腸菌)に焦点を当てています。
これらの微生物は、土、空気、水、そして植物や動物の体内に存在し、有機物を分解して二酸化炭素や水などの無機物に変換する重要な役割を持っています。
物質循環と食物連鎖の関係
生物は、自らの成長やエネルギーを得るために食物を必要とします。
この過程は、自然界における栄養素の循環と直接関連しており、食物連鎖を通じてエネルギーと栄養素が移動します。
特に炭素と窒素の循環は、中学3年生の理科で詳しく取り扱われています。
炭素の循環
炭素の循環は、光合成によって植物が大気中の二酸化炭素を吸収し、それを炭水化物に変換するプロセスから始まります。
これらの炭水化物は、食物連鎖を通じて他の生物に摂取され、最終的に呼吸により再び大気中へと二酸化炭素が放出されることで循環します。
窒素の循環
窒素の循環は、大気中の窒素が窒素固定によって土壌中の有機物に変換され、微生物の活動によって植物が利用できる形に変化する過程を含みます。
植物によって吸収された窒素は、食物連鎖を通じて動物に渡り、死骸や排泄物として土壌に戻され、再び微生物によって分解されることで窒素が大気に戻されます。
資源・エネルギー・環境教育とのつながり
この記事では、中学3年生の理科のカリキュラムで取り上げられる物質循環の中でも、特に炭素と窒素の循環にスポットを当てています。
物質循環における微生物の役割は、自然界のバランスを保つ上で欠かせないものです。
物質循環のバランスが崩れると、資源やエネルギーの利用に影響を及ぼし、環境問題を引き起こす可能性があります。
今回取り上げた炭素と窒素の循環は、地球上の生命維持システムにおける基本的なプロセスであり、これらの循環がどのように機能しているかを理解することは、資源・エネルギー・環境教育において非常に重要です。
今後の記事では、物質循環のバランスが崩れた時に生じる具体的な環境問題や、その影響について詳しく綴る予定です。
また、私たちがどのようにしてこれらのバランスを保つための行動を取ることができるのか、持続可能な資源・エネルギーの利用と環境保護に向けた具体的な方法についても考察していきます。
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