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織のレジェンド in Denmark - アトリエ訪問編 -
デンマークのテキスタイル界で知らない人はいないベテラン weaver、Hanne Vedel (ハンネ・ヴェデル)さん。
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(引用元: 万寿実家具さま)
この道70年の彼女は オリジナルのラグやテーブルクロスにはじまり、著名な建築・家具デザイナーの作品用生地、デンマーク国内の多くの教会や銀行、裁判所にとどまらず、ヨーロッパ各地の権威ある建築で彼女のテキスタイルが採用されています。
そんな輝かしい経歴をもつ Hanneさんが 特に重要な仕事の一つとして長年取り組んできたのが、教会のためのテキスタイル。
写真は2018年8月に訪ねた、コペンハーゲンの中心街にたたずむ教会内の祭壇。
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教会にふさわしい重厚感。
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糸方向メモ:⇄ 縦糸 ⇅ 緯糸
緻密に計算された織組織(おりそしき)は、経緯の色糸の重なりをうつくしく引き立てます。
また規則的に数本引きそろえた緯糸を織り込むことで 表面に厚みのある凹凸ができ、一枚の布に奥行きを感じるように。
とにかく シンプルで洗練されていて、ほんとに魅力的なテキスタイルの作り手です。
*
前置きが長くなってしまいましたが その年の10月、Åbenrå(オーベンロー)にある彼女のアトリエへ行ってきました。
(Hanneさんを紹介してくれた weaver、Gitteさんに感謝!彼女のお話もぜひまた改めて〜)
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右端のピンがコペンハーゲン。
マップで見るようにシェラン島にあるコペンハーゲンからはちょっと離れた、ユラン半島のつけ根に Hanneさんのアトリエ、Spindegården社(シュピネゴーエン)があります。
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彼女らしい品のある絶妙な色合い。
広々とした1階建てのアトリエには、ミーティング用のスペースから機場(はたば)まで さまざまな設備がゆき届いています。
現在ここで織られるのは主にラグなど、手織りのもの。
Spindegården はもともと ベテラン weaver、Paula Trockさん(1889 - 1979) により1948年に設立、1970年に長年一緒に仕事していた Hanneさんへ受け継がれました。
当時は製織のみにとどまらず、新たな素材の研究開発、紡績、染色も併行しておこなわれていたそう。
その名残として いまは使われていないものの、機場の片隅にレトロな紡績用の機械などが並んでいました。
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そのため、使わなくなっまたくさんの種類の Spindegården オリジナルの糸やトップ状(紡がれる前)の繊維素材が販売用として置かれていたり。
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趣味のニットや織物に Hanneさんの糸使えるなんて贅沢...!
機場にあった幅広のラグ用の織機はいままでに見た中で一番大きく、幅3mくらいあったんじゃないだろうか...!
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大きいラグは二人並んで織られるそうですが、これ 絶対難しい。
入れる緯糸の分量だったり、框(かまち)を手前に引く(ラグづくりではどちらかというと叩きつける笑)力の強さやタイミングなど
それぞれの技術が高いことはもちろん、一つひとつの工程で二人の息がぴったり合っていないと綺麗で左右対称なラグは絶対織れません。
着物のような ほそーい経糸が 1cmに 30本もある織りももちろん大変だけど、ざっくりとしたラグ織もまた別の難しさがあることをひしひしと実感。
やさしくて気前のよい Hanneさん、手織りのサンプルをたくさん見せてくださいました…!
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縦には折り目がついてる謎のサンプル!
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右のは教会で見たテキスタイルとかなり近い!
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紡績をしていた背景があるためか、異なる色や素材をブレンドした糸をつかったものも。
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この図解は伝わるのでしょうか、、
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また、教会のためのテキスタイルは祭壇布にとどまらず、祭服を手がけることも。
写真は図録を写したもの。
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一見 刺繍にもみえる 4つのモチーフは全て色糸や組織を変えて織り込まれています。
気が遠くなるような作業、、!
さらに織で正円を描くのもすごく難しい。
技術も経験も、プロの中で抜きんでるものがあってこその作品です。
そもそも教会から一式のテキスタイルを依頼されることが大変名誉なことだそう。
彼女の説明を聞きながら、ゆっくりじっくりアトリエをひと回りしてから見る彼女のデスクはよりいっそう特別に感じられました。
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そう、デンマークにはカーテンをする文化がありません!
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『私は artist ではない、weaver だ。』
自身のことをそう仰ったことが 全てを物語っているような気がして、未だに忘れられません。
次回は彼女の人となりを、ご自宅に招いていただいたディナー編にてお伝えできればと思います。
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ちなみにご一緒させていただいたお昼ごはんはこちら。
ビール付きで、純度100%のデンマークの昼食!
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