10月23日(火)人生で一番悩ましい日。
※全文公開。投げ銭スタイルです。
「死の宣告」前日
こんにちは。胃癌ブログの管理人Mです。今日は胃全摘手術後2392日目。6年6ヶ月18日目になります。
昨日はいささか無理をしてしまい、さすがに体への反動がすこぶるきつい(汗)少し気が楽になったことを理由に久方振りで晩酌。秋刀魚と鯖をツマミに日本酒で一杯やっていたら、体中がしびれて死人のように眠り続けていました…。
夜中に目が覚めると、心にポッカリと穴が空いたような空虚感。そうだ。今日は胃ガンの再発、肝臓へのガンの転移を告知される「死の宣告」の前日なんだ…。
かつて、これまで生きてきた人生の中で、こんなにも悩ましい思いをする日があったであろうか?
ボクが「胃がん宣告」を受けた時は予告もなく、突然の出来事だった。しかし、今回は違う。前回の診察時に、主治医から『胃癌から転移した肝臓がん』という予告をされているのだ。
今日までの間、体調不良が重なったこともあり、メンタル面を正常に保っているのが非常に難しい日々を過ごしてきた。しかし、これはもう二度と解消されることはない。明日の「死の宣告」以後は、ますます精神的に追い込まれていくことが必至なのだから…。
そんな、「人生で一番悩ましい日」に書く今日の所感です。
重い胃ガンを患って後悔した仕事優先の生き方
深夜の空虚感に居たたまれなくなったボクは外に出た。
頭を冷やすにはちょうど良いくらい。そろそろ、厚手のアウターなしでは寒さが身にこたえる季節になってきた。
人気の無い夜道を歩きながら、胃癌になってからの事を振り返っていた。これまで、あまり良かった思い出はなかったのだけれど、原因を考えてみると、そのポイントは自分の周りを取り巻く「人間関係」にあったように思う。
ボクはこれまで、働き始めてからずっと仕事ひとすじで生きてきた。その結果、プライベートな時間はほとんど無いに等しく、自分を取り巻く人間関係もすべて仕事関係のメンバーで固められていた。
ところが、「胃がん」という大病を患ってみると、今まで自分が築き上げてきた人間関係がまったく役に立たないことに気付いた。
現在の日本では「病」と「仕事」が互いに相容れない関係である事がわかると同時に、プライベートをおなざりにしてきたツケが回ってきたと感じた。
重い胃ガンが発覚した以上、しばらくの間は第一線から退かなければならない。仕事から離れた結果、プライベートなボクのまわりには、助けを借りられる人間関係が存在しなかった。
胃ガンという病は生活を根底からズタズタにする
幸運にも胃ガンの根治手術を終えたボクでしたが、術後の生活は過酷なものでした。助けを求めるべき身内には元犯罪者の兄しかいない。しかもその兄は案の定、ボクへの手伝いに金品を要求してきたのです。
身内への介助を利益と天秤にかける元犯罪者の兄(この人間に対する興味や批判の気持ちがおありの方は、ボクのブログにあるプロフをご一読(リンク)ください。)をはじめ、ボクのまわりに残された人間関係は最悪なものでした。仕事も休むことが出来ず、それが行く行くのトラブルをも招く結果となったのです。
ボクは長年の仕事を通して「人とのつながり」というものを大切にしてきました。すなわち、人間はその時に身を置いた環境、とくに人間関係によって良くも悪くもなるのです。
ところが、プライベートを犠牲にして生きてきたボクに突然おそってきた胃癌という病は、生活を根底からズタズタにしていきました。
「癌への備え」以上にまず大切なこと
昔、将棋で無敵を誇った大名人がおりましたが、鉄壁な守りの布陣を築き上げ、それを前提とした受け将棋を持ち味にして、数々の逆転勝利を収めていました。
逆に言うと、自らの王様を守るべき駒(金や銀など)の連携がメチャクチャであれば、どんなに強い実力の持ち主であっても自然に崩れます。それは、羽生さんや藤井君でも同じことです。
将棋に例えると、ボクのプライベートは守りの布陣がメチャクチャで、不測の事態に対応することが出来ませんでした。
しかし、胃ガンの術後の体では手遅れで、自ら軌道修正する力も残されていなかったのです。
よく、「がんは早期発見や事前の備えが大切」と言います。たしかに、定期的な健康診断や保険への加入などは大事です。
ただ、それ以上に大切なのは、今一度、自分が元気な体のうちに、置かれた環境やまわりの人間関係を見つめ直してみる必要があることだと思います。
いくら事前に備えても、癌を100%防ぐことは出来ないのです。もし自分が癌になったら、あなたのまわりは大丈夫ですか?
「再発がんの宣告=死の宣告」どうすれば良いのか分からない…
とりあえず、明日。どんな面持ちで病院へ行き、主治医の話しを聞けば良いのかが分からない(汗)さらに、今後についてどのように返答すれば良いのかも分からないのです…
今わかっているのは、胃ガンの再発・肝臓への転移を告げられても治療を行えない現状にあること。そして、治療を拒否することで、再発がんの宣告=死の宣告になるということだけです。
果たして明日以降、こうしてブログを書いている自分を思い浮かべることすら出来ません。「死ぬ」ということが確定した場合、それを報告することはたぶん、無理かも知れませんねぇ…。
本日も素敵な1日をお過ごし下さいませ。
p.s. 嗚呼。死ぬ前に一度、海外旅行に行って憧れの映画で観たあの景色をこの体で体験してみたかったな…
皆さんは決してボクのようにならずに、素敵な夢を叶えて下さい!今までありがとうございました!!
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