見出し画像

メキシコのシスティーナ礼拝堂 アトトニルコ

これほど美しい教会がメキシコにあるとは、今まで知らなかった。
教会の内部は、息を呑むような美しい壁画が一面に描かれている。

サン・ミゲル・デ・アジェンデから約12kmの距離にあるAtotonilcoというわずか数百人の人口の小さな町に、この美しい教会「Santuario de Jesús Nazareno de Atotonilco」がある。

華美ではない、しかし優雅さと可愛らしさが感じられる教会。
メキシカン・バロック様式の建築だそうだ。

よく晴れた午前中に訪れたが、人はほとんどおらず、この教会を目的に来た外国人観光客が10人ほどを見かけた程度だった。

天井・壁面をうめつくす油彩画の装飾

教会の内部は二方向に伸びている。
入って正面方向を拝観してから、左手側の進むのがおすすめ。小さな教会のため、それぞれの礼拝スペースに10人もいれば多すぎるくらい。幸い、私が行ったときは2、3人くらいの拝観人数だったので、ゆったり静かに過ごすことができた。

入口左手側のエリア
ずっと見ていたかった。苦しみを支えてくれる慈悲のようなものを感じた。

全面に描かれた壁画は、一般的な平面画とは異なり、装飾部分を立体にして色彩が施されるなど非常に細かな仕事。完成に30年以上が費やされたという。

天井をずっと見てしまうので、頭が重くなってくる。
入口正面の礼拝スペース

左手側の礼拝堂入口に寄付金を入れる箱がある。
拝観は無料でできるが、十分とまではいかないが寄付をして、教会を後にした。

世界遺産

サンミゲルの街中心部ではなく、なぜ、このような場所に、これほど素晴らしい教会が建てられたのだろうか。今回もまた調べてみた。

18世紀に神父がお告げに導かれ、この地に建造したという伝説がある。世界遺産としての名称は「ヘスス・ナサレノ・デ・アトトニルコの聖地」とあり、アトトニルコのキリスト教建造物群が対象となっている。名前の意味は「アトトニルコのナザレのイエス」。ここアトトニルコは乾燥した大地で、その景観がエルサレムを彷彿させるということも聖地への結びつきとなったようだ。

エルサレムに行ったことがないので、なんとも言えないが、幹線道路が整備された今とは異なり、当時はサンミゲルの街の中心から離れた荒野の様が、人々の想像するエルサレムに見えたのだろう。世界遺産登録基準は、ざっくりといえば、「ヨーロッパとラテンアメリカの文化交流が、建築物にもよく示さた、メキシコ・バロック様式の傑作となる装飾が施された教会建築であること」。メキシコに再現する聖地エルサレムだからこそ、これほどの労力がかけられ、これまで大切にされてきた場所なのだと思った。

内部もさることながら、真っ白な外観も可愛らしくもあり美しい。

外部は真っ白かと思いきや、窓枠の上に装飾が。

町の様子

町散策というほど広くはない。教会を出て右手方向に進むと、通り沿いに10店舗ほどお土産物屋さんや軽食の露店が出ている。
キレイな猫ちゃんがいたので声をかけたけど、「写真だけよ」と振り返ってくれたけど、触れる距離には来たくなかったらしい。猫がいれば、その日の散歩はご機嫌さん。

食堂の飼い猫ちゃんかな?
可愛い❤︎

アトトニルコへの行き方

交通の便が良い場所ではないので、次のいずれかの方法になる。
 ① 公共の路線バスで行く
 ② タクシーで行く
 ③ ガイドツアーで行く

時間の関係で、私は②のタクシー利用で行った。
行きは流しでも良いが、帰りは何らかタクシーを手配する必要があるので、往復Uber利用。片道160ペソほどだった(2024年時点)。
20分ほどの距離で着き、帰りも手配して5分ほどで迎えに来たので、時間に余裕がない人でも気軽に訪問できる。
帰りにFabrica la Auroraという昔の繊維工場をギャラリーやアートスペースに改築した場所に寄るのもアリだと思った。

他の行き方については、

  • バスは1時間に2,3本という情報を見た。詳細は確認していないが、興味があれば観光案内所で聞いてみるか、Googleマップで検索してみると良いだろう。

  • ガイドツアーは、広場の教会脇のスタンドで申し込める。英語とスペイン語のツアーがあるそうだが、催行曜日が限られている。私が聞いた時は午前中出発だけだったので、余裕を持って確認した方が良いだろう。

地元の友人は、記念日の旅行に子どもづれで、この小さな町のお洒落ホテルに毎年泊りに行っているらしい。子ども達にとってもお気に入りの場所になっているので、何もないところに泊まる贅沢旅なんてのもしてみたいものだ。

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?