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【教育】赤ちゃんとふれあって「共感力」を養う授業♯083

女子校の高校生に毎週1回、非常勤講師としてジェンダーを教えに行っていますが、先日は「赤ちゃんとのふれあい」でした。

ただ「赤ちゃん、かわいいね」で終わるのではなく、赤ちゃんとのふれあいを通じて「エンパシー(共感力)を学ぶ」ことを目的に授業づくりを進め、事前授業として、ジェンダーを切り口にした生きづらさ、分断、コミュニケーションのギャップ等、様々な問題を取り扱ってきました。

辞書によると「エンパシー」とよく似た言葉の「シンパシー」は、「かわいそうな人」「考えに同意を示せる人」だけに関心が向けられる一方で、エンパシーは、その対象に制約がありません。

エンパシー本としてベストセラーになった『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』の筆者、ブレイディみかこさんは、あるインタビューで、『自分が共鳴できないし、「いいね」ボタンも押せないし、かわいそうとも思えない人に対しても、その人の立場になって想像してみることをこの本で書きたかった』と語られていました。

本能のまま生きる赤ちゃんは、言葉も通じないから何を欲しているのかも、何で泣くのかもわからない異星人のような存在。でも、そんな赤ちゃんの立場に立って感情を想像することが、生徒にエンパシーの大切さを伝え、それが育まれるきっかけになるのでは?と思ったのです。(実際にルーツオブエンパシーという教育プログラムもあるそうで)

赤ちゃんの行動、表情から、自分との共通点を見つけてもらう質問も沢山投げかけてみたところ、「赤ちゃんは自分たちと違うと思っていたけれど、赤ちゃんも私たちと同じように、嬉しいと笑顔になるし、怖いと困ったり、泣きたくなるのが表情を通じてわかった」というような感想も。

起業家の若宮和男さんが「自分と似ていると思う人に対しては"違い"を。違う人に対しては"共通点"を見つけられると、より生きやすい世の中になる」というような言葉をvoicyでおっしゃっていましたが、

こういう気づきが、赤ちゃんだけでなく、あらゆる人に自然と向けられるようになると良いなーと思ったりします。

1学期を通じて伝えてきたメッセージが、「思いこみ」や「偏見」に心が揺らいだり、傷ついたり、翼がおられそうになることも多々あるけれど、「自分の軸」を持って、自分の人生を生きていける大人になってほしいということでした。

出産についても、生まないことを選択する人生もあると伝えたうえで、10代から自分のライフイベントにアンテナを立てておくことは悪いことではないということも伝えてきました。

今回の授業で感じたことを彼女たちの"軸"に繋げていってもらえますように。

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