光と水と風と〜川瀬巴水 旅と郷愁の風景〜
先日、久しぶりに美術館に足を運んできました。
いつもと違う電車に乗るって、ほんとに久しぶり。
数年前、仕事をしていたころは、この八王子駅まで月に1回は通っていたのに、
今日はまず乗る電車から、間違えて、連絡していた電車に乗り換える始末。
なんだか、心配。
乗り換えアプリの通りに乗らなかったから、こうなったのかしら。
だから、駅を降りてからは、ランチをしたことがある京王プラザホテルを右手に見つつ、Googleマップを頼りに、大通りを直進し、左折してさらに10分。
日差しの強い中、買ったばかりの晴雨兼用傘を差して、夢美術館に到着しました。
(帰りは斜めに抜ける商店街を7分散策して駅まで戻るのが楽しかったんですけど)
そう、今日はチラシミュージアムでチェックしてあった、
にやっと来ることができました。6月2日まででした。
日本の原風景を描いた巴水の作品は、あのAppleのスティーブ・ジョブズさんもお好きだったらしいです。
まずは美術館のあるビルの2階の入り口まで行くと
10人ほどが並ばれていました。
荷物をロッカーに入れてから、
入館料900円を払おうとして表示をみたら、、
惜しかった、65歳以上は、、、半額でした。
展示会場では、みなさんお行儀よく横一列に並んでじっくりと鑑賞されていました。
また、巴水さんの作品を
1章、関東大震災以前
2章、関東大震災から第二次世界大戦
3章、第二世界大戦後として時代を区切っていました。
いずれも大震災、大戦で仕事場が被害を受けそれまで書き溜めた下絵や作品が消失してしまい、心機一転しようと、国内各地や朝鮮半島の風景描写の旅にで、優れた作品を生み出しました。
27歳で美人画の実力者 鏑木清方(かぶらき きよかた)氏に弟子入りしたものの、その後は風景画を中心に版元、彫り師、刷り師との共同作業による、新版画で技術を磨いていきました。(以上チラシ参考)
ここからは、私の感想です。
100点以上の風景画でも、やはり光や風を絵の中に効果的に表現し実際より美しくリアルな絵に作り上げていると感じました。
いくつか、お気に入りの作品を見つけました。
『池上市之倉』
光の取り込み方で藍、白、橙のグラデーションを使って、山の稜線、まだ明けていない空や朝日を表現し、松林と朝焼けの空のコントラストによる構図がさえる。
『日本橋(夜明)』
うす暗くなりつつある空に夕焼け雲。ゆらゆらと揺れながら橋を映す水面。橋の欄干にそびえたつ装飾つきのガス灯が夕方の街を照らし始めるのでしょう。
『芝増上寺』
この『芝増上寺』では雪の粒を斜めに描き、吹雪の中を女性が雪道をギシギシとまたはザクザクと音を立てながら、家路を急いでいる様子が描かれています。寺の赤い門と雪の白のコントラストが寒さをより感じさせます。
この美術展のチラシにある作品も富士山を背にした湖のほとりに咲く桜。
山の稜線、山の連なり、湖の水面の遠近感の中に巴水の自然への畏敬が表れているように思いました。
素朴で穏やかで、自然に守られるような日本の暮らしの豊かさが描かれた作品が多く、国内ばかりでなく海外の方に受け入れられるのもわかるような気がしました。
あー、もっと早く行っておけばよかった。
◎今日も最後まで見ていただきありがとうございました。
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