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未経験から編プロに転職するメリット&デメリット

未経験から編集プロダクションに転職して半年が経過した。

転職するまで、編プロは「やばいブラック企業」だと思っていた。給料は安いのに仕事は多く、労働環境は劣悪、消耗するまで単純作業をさせられる。いくらやっても仕事は終わらず、給料は上がらない……。「編プロ 転職」と調べると、こんなネガティブな内容が出てくるので、本当に編プロで働いていいのか何度も不安になった。

半年間働いて思ったのは、編プロはやばいブラックではない。でも、入社前に抱いたネガティブイメージに当てはまる部分もある。どの職場もそうだろうけど、編プロの転職はメリットもデメリットも存在しているとわかった。

そこで編プロへの入社を検討してる人に向けて、編プロのメリット&デメリットを紹介したい。


メリット1:たくさんのジャンルに関われる

編プロの最大の強みは、様々なジャンルの制作にかかわれる点だ。

官公庁の文章からブログ風のカジュアルな記事、紙媒体の本文、キャラクターになりきった文章など、仕事によって目的から文体まで本当にバラバラだ。

「これが好き!」「このテーマの文章を書きたい!」とやりたいことが明確に決まっていない私にとって、見境なく何でもできる環境はやりやすいと感じている。20年以上編プロで働くベテラン社員は、飽きっぽい性格なので編プロが性に合っていると話していた。

もしフリーのライターになった場合、得意ジャンルがないと編集者に覚えられず、仕事を分け与えられにくい。一方編プロなら得意ジャンルがなくとも、たくさんの仕事を経験できる。1つのテーマに限らず、様々な種類の仕事を経験したい方には編プロをおすすめだ。

メリット2:ライティング(執筆)を自分でできる

私が編プロに入社した1番の理由は、自分でライティング(執筆)ができるからだ。

出版社やWebメディアの会社の多くは、ライティングは外注している。ライティングは時間もかかる地道な作業なので、企画やディレクションだけ車内で対応し、ライティングは外出ししてしまったほうが安く済むケースが多いからだ。転職活動してみて、意外とライティングまでできる仕事ってなかなかなかった。

ただ編プロでは、ライティングまで自社でこなすケースが多い。もちろん専門的な内容だったり、文量が超多い場合はライターにお願いするケースもあるけど、比較的社員が取材からライティングまでこなしている。

私はライターになりたいと思ってたけど、フリーになるのは怖いし、副業だと思うように動けず中途半端な状態だった。編プロであれば会社に所属しながら、ライティングのスキルをがしがし磨いていける。その上様々なジャンルの文章を書けるのだから、引き出しも増えるに違いない。

ライティングスキルをこれから身につけたい方にもおすすめだ。

メリット3:ディレクションのスキルが身につく

編プロとは制作会社であり、クライアントの下請け業者だ。クライアントのイメージを具体化し、制作イメージを固め、デザイナーやイラストレーターなどを手配する。

地味で面倒な仕事は多いけれど、制作の中心としてスケジュール管理や問題点の整理、制作メンバーへの指示出しなどを体験できる。

イラストレーターやデザイナーなどプロのクリエイターになれなくても、編プロでディレクションをすれば制作の現場を間近で感じられる。今後ライターになったり、編プロから別の会社に転職したとしても、スケジュール通りにタスクをこなすディレクションの技術は確実に役立つものだと思っている。

知っておきたい編プロ転職のデメリット

ここまで編プロ転職のメリットを書いてきたけど、デメリットも当然ある。火のないところに煙は立たないと言うように、編プロにネガティブなイメージがあるのはそれなりに理由がある

入社してから半年経過して気づいたデメリットを紹介したい。

デメリット1:やっぱり給料が低い

最大のデメリットは給料の安さだ。仕事量が多い割に給料がやっぱり低い。未経験で編プロに入社するとなると、一般企業の新卒より低い給料のは当然として、20万をきるようなところも決して珍しくはない。

転職活動中に面接をうけた編プロの中には、額面20万円+ボーナスなし+週休2日という条件の会社もあった。編集・ライターになりたいとはいえ、新卒で入社した会社より待遇面が下がるのは結構しんどいな、と正直に思った。コロナ禍の今はいいけど、飲み会や結婚式に多く参加していたらかなりキツかったはずだ。

コロナ禍で編プロも例外なく影響を受け、私の会社では夏の賞与が出なかった(私は入社直後なのでそもそも貰えなかったけど)。好きでやっている仕事でも、給料が少ないのはガッカリする。

編プロに入る前に「給料が少なくてもやっていけるのか?」「編プロ後のキャリアはどうするのか?」と考えておいた方が安心だ。

デメリット2:休日に働く社員が普通にいる

編プロは社員数が多くないので、一人あたりの仕事量が多い。ディレクターとして働けるレベルになると、本当にたくさんの仕事が舞い込んでくる。そのため平日だけでは裁ききれず、土日に仕事を持ち込む社員が普通にいる。会議で「土日にやります」と言う人がいても、誰も何もツッコまない。それくらい休日勤務は常態化している。

幸い入社6ヶ月の私は、取材を除き休日に働いたことはない。ただいずれ仕事量が増えたら、土日に稼働しけなくなるだろう。実際、ほぼ同時期に入った方は仕事量が多く、すでに土日仕事していたらしい。

編集/ライターの仕事が楽しいなら、土日の時間も喜んで差し出せる。でもそこまでの愛がないなら、編プロはしんどい職場に違いない。給料も高くはないので、編集に思い入れがないなら別の職場にしておいたほうが無難だと思う。

デメリット3:「どれだけ読まれたのか?」は基本関係ない

編プロでは様々なコンテンツを作成するけど、「結局どれだけ読まれたのか?」は意外と知らない。なぜなら編プロの仕事はコンテンツを納品するまでが仕事のため、コンテンツ自体の売上やPVは気にしなくてもいいのだ。

だから正直、「これ誰が読むの?」と思うようなコンテンツを作ることもある。PVは全然取れないだろうけど、クライアントに依頼されたからやっているとき、ライティング好きの私でもやりがいは感じられない。

編プロは様々なジャンルの仕事ができる分、全然興味がない/面白みのないジャンルに関わる可能性も高い。どんなジャンルにも好奇心を持てるならいいけれど、好き嫌いがハッキリしている人は避けておいた方がいいかもしれない。

編プロは「給料が安くても入社する目的がある人」向け

編プロはたくさんのジャンルの仕事に関われるものの、一般的な給料と比べると高いとはいえない。ボーナスだってもらえるか怪しい。

そのため「給料が安くても入社する目的がある人」に向いていると思う。たとえば私の場合、とにかく編集やライティングの経験をたくさん積むために編プロに入社した。給料は下がるけれど、次の転職などで給料を上げればいいや…と思っている。だから不安は感じるけど、とりあえず頑張れている。

メリットとデメリット、両方よく理解したうえで編プロへの転職を検討してほしい。

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