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サグラダファミリアは理想的な社会の縮図?

写真:世界遺産『サグラダファミリア』    教会内にステンドグラスを通して差し込んだ夕日は、カラフルな光へと変わり、幻想的な雰囲気を醸し出す。

ーースペインバルセロナにあるサグラダファミリア教会は1882年に着工して以来、今現在も建設中の世界遺産。

建築家アントニ・ガウディによって設計され、ガウディ没後も、その『意思』が脈々と職人達に受け継がれ建設が進んでいく。

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              2016年11月撮影

写真にあるように、大型クレーンを使って、丈夫で崩れにくい厳選された『石』を運び、それを職人達が組み立てていく。活気に満ちた迫力ある工事現場を拝見できたのは貴重な時間だった。

ーー建造物としての完成予定は2026年

日本人彫刻家として第一線で活躍されている外尾さんは「2026年に建造物として完成はしても彫刻などの装飾の仕事はまだまだ続いていく」と意気込む。         ※ドキュメンタリー談

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 『生誕の門』

サグラダファミリアは東、西、南(未着工)の各方位にキリスト教聖書のストーリーを彫刻で細かに表現されている門で、ストーリーの複雑さがゆえに、外尾さんが言われるように一朝一夕で仕事が終わるはずがない。

上記写真は東側の門でイエス・キリストが誕生したシーンから弟子達に説教しているシーンまで、そのリアルさに思わず圧倒され見入ってしまう。

生誕の門は観光客でごった返すエリアだった事を思い出す。今ごった返した状況になってしまうと、「密です!」というお叱りの声が聞こえてきそうだ!

コロナが収束し、先々、サグラダファミリアに行ってみたい!と言う方に、ステイホームの今は、『サン・オブ・ゴッド』という映画を観てから旅行される事をオススメする。

まず、動画をご覧になってすぐにお気づきになると思うが、何よりもイエス・キリストがイケメンすぎる。

それはさておき、

これは、聖書を映画化しておりイエス・キリストの人望力、その周りを取り囲む仲間達の思い、その一部の葛藤による裏切りなどが見事に再現された映画だ。

ストーリーの理解を深めた上で、門にある彫刻を観ていくとより一層楽しめるはず。

そして、『受難の門』でキリストが十字架に磔られた彫刻を観ると映画の痛々しく悲惨なワンシーンが浮かびあがり、ゾッとする。

その光景が次の写真だ。

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西側『受難の門』

非人道的なその行為は、当時の権力であるローマ帝国が、人々を巻き込んで勢力を増していくキリストの影響力を恐れ、その芽を積んでおこうとゴルゴタの丘でキリストを十字架に磔の刑を行うのだ。

両手に太い釘を打ちつけたのち、十字架を起こし両足を重ねた足の甲にも、さらに釘を打ちつける。鉄で作ったトゲトゲの薔薇のかんむりを被せられた頭からは血が顔に流れ落ちる。

そこまでしたらもうやめろー!となるのに、終いには槍でわき腹を突き刺すという。

その横で痛めつけられる我が子を見る聖母マリアは泣き崩れ、もう見てるこちらも見てられない。

現代に生まれて良かったなぁ。と思ってしまう。

ーーガウディの理想

話しは戻り、ガウディはもともと、キリスト教への関心は浅かったようだ。

サグラダファミリアを構想していくにあたり、キリスト教への造詣も深まっていく。

そこから、ガウディの理想である『分断のない世界』をサグラダファミリアに込めていく。

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当時からすでにあった、経済格差の広がりを見せる世の中で、不平不満を感じる大勢の人の心のよりどころである教会を作りたい。

そしてその資金源は『寄付』を募ってみんなの共有財産としての協会を作る。

ガウディは自分自身の全財産をサグラダファミリアに注ぎ込んだ。そして、『寄付』においても疑いのある金持ちからの寄付金は断り『犠牲のあるお金』のみを寄付金として受けとったそうだ。

そのため、ところどころで資金が底を尽き、工事が難航してしまった事も多々あったようだ。

ーー働く人たちの生きがい

サグラダファミリアを作る職人達もガウディの理想を受け継いでいるからこそ、金銭報酬以上の『報酬』を生きがい、やりがいに変えていきその過程を楽しみながら仕事を続けているそうだ。

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この理想を社会全体に応用していくことができればまだまだ捨てたもんじゃないと思う今日この頃。

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当時は完成したらまた来たいなと思う程度ではあったが、今では完成してしまうと面白みにかけてしまうなぁ…とも思う。

それも旅の良いところで、その時感じた事も大切だし、後で振り返った時に今はこう思うな、という感覚の変化を楽しめる。

だから旅はやめられない。

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