シェアハウスの恋人
京都で学生をしていた頃、シェアハウスに住んでいる時期があった。町家風の一軒家で、一階に広い畳の間があり、二階がそれぞれ住人の部屋になっていた。当時はまだiPhoneも発売されていなくて、ガラケーなんて言葉もない時代。大学の友人はほとんどが一人暮らしあるいは実家あるいは寮に住んでいて、「シェアハウス」という単語はどこか怪しい響きを持っていた。僕はちょうど半年後に留学することが決まった頃に、荷物も早めに整理できるし物珍しさに惹かれる気持ちもあって、シェアハウスに住み始めた。彼女と