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美女十夜

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ナンパで出会った女性の物語を書いています。
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記事一覧

芙巳子 - actII

前日の天気予報は晴れで、その通りに晴れになった。都心からだいぶ遠いその駅に降りるははじめ…

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朝美 -act Ⅳ

私は気乗りしなかった。見るまでもなく、雨が降っているに決まっていた。経験上、そうとしか言…

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アイ

「その気持ちは恥じなくていいよ。恥じる必要なんてない。どうせ自分は被災者の気持ちが分から…

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沙希

「ダメだよ。あれはね一日一回しかできないんだよ。と、言いながらぁ」 と言いながら沙希は再…

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朝美 -act Ⅲ

満面の笑みを浮かべた彼女は、じゃあ、わたし行きますね、とそわそわとした。最後に、「そうい…

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朝美 -act Ⅱ

「『誤りと嘘に大した違いはない』って。それから」萩原がそこで間を置き、つづきを口にしよう…

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朝美 -act I

「バッハの」と彼は意外にも知っていた。「チェロの無伴奏組曲ですよ、たぶん」 「大バッハか」私は思わず、口に出す。バッハという名前の音楽家は大勢いて、なぜか、一番有名なバッハは、大バッハと呼ばれているらしいが、その呼び名が私は好きだった。 「いいな、これは」 「僕も好きなんですよ」萩原はテーブルの上の伝票をつかんで、ここは僕が払いますよ、と言った。「優雅で、切なくて、そよ風とも嵐ともつかない曲。そんな気がしません?」 その表現はとてもぴたりと来て、私は、ほお、と感心する。-『死

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ヴィクトリカ

その温室から階段の踊り場に、半身を投げ出したように、大きな陶人形が置かれていた。 等身大…

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夏子

自信たっぷりで贅沢好きで、奔放で自分勝手な夏子が、しかし、やはりどうしようもなく女でしか…

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