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風で舞い散る桜のように Ep.11
「風、部活は?」
「今部活前!更衣室にいる!
顧問女の先生だから入ってこんしバレんよ!」
中学では優等生みたいだった風の
悪ガキみたいな新しい一面を知り、クスッとした。
話しているうちに、インターハイの開会式の前日になった。
「明日授業ないしオールしよ!」
夜通し恋バナをした。
風には中3のクラスに1ヶ月弱で別れた元カノがいたことをそこで初めて知った。
風で舞い散る桜のように Ep.7
1週間くらいして合格発表があった。
181番の私から189番までが同じ中学校のみんな。
181番はあった。
当時同じ部活で一緒に勉強してた友達の番号も2人で確認した。
2人で泣いて喜んだ。
ほとぼりが冷めたとき、何かが引っかかった。
182番がない。
「いいよなぁ、風は数学できて…」
と言ってしまったことを少し申し訳なく思った。
風で舞い散る桜のように Ep.4
クラスメイトとして話していくうちに
同じ職業や高校や大学の学科を目指していて、
でも風の方が数ランク高い大学を志望していることを知った。
理科の時間隣の席で
酢酸カーミン液に染色されながら実験する私とは反対に
器用にトウモロコシをピンセットで摘み
考察とかも全部一人で考えてしまう風を尊敬していた。
でもそのときの風は恋愛対象ではなかった。
風のことはかっこいいよりかわいいだった。
風で舞い散る桜のように Ep.3
私と風は、小学生からの同級生だった。
ほとんど同じクラスになることはなく、
中3で初めて同じクラスになった。
背が高くなりそうな部活に入ってるけど
私と同じくらいか少し高いかくらいの身長で、
与えられた仕事とかはちゃんとこなして
ちゃらちゃらしてるわけじゃなくて大人しそうだけど
女子にも優しくて、
文系教科は苦手なのに
数学では県内偏差値80台を取るようなザ・理系男子だった。