風で舞い散る桜のように Ep.2
好きって気持ちをうまく伝えられないのを察してくれたのか、
そこで風がすかさず言ってくれた言葉が、
「もし今、俺が付き合ってって言ったら?」
だった。
高校3年生の秋、私たちが交わしたこの会話。
はたから見れば意味深なやりとりに見えるかもしれない。
実際にそこには、当の本人たちである私たちでさえも
カンタンに触れてはいけないんじゃないかって思える壁があった気がする。
実は、風は、この2年半前にも私に気持ちを伝えてくれていた。
そのときの私は、風に最低なことをしてしまっていたのだ。
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