キャリアの振り返り③

前回からの続き。

PEの投資先といった選択肢以外にもう一つ考えたことは、大学に入りなおすことだった。インプット期間を設けたといったが、改めて働きながら、アカデミックな領域で挑戦するのも面白いのではないかと考えた。学部の編入試験で入るか、院から入るか、いずれも選択肢としてあり、対策用のスクールにも一度は通ってみた。英語や経済学は勉強しており、院に入る要件をクリアする程度にはなってきた。

並行して、個人事業主としてのプロジェクトをこなしながら、いくつかのエージェントに相談もしていた。会計士という資格や、ファイナンシャルな経験も活かせるところで、投資ファンド、または、事業会社の投資ポジションを一つの軸としていた。正直30過ぎで投資業務の未経験者が採用されるかは分からなかったが、相談はしてみた。PEファンドのポジションであるが、政府系や中堅どころでいくつか候補はもらうが、報酬面がかなり下がってしまうのがネックで、なかなかアプライするまで至らないまま、個人事業主のプロジェクトをこなし、大学進学に向けた準備を進めていた。

そんな時に総合商社の契約社員のポジションが紹介された。財閥系の最大手の一社だ。報酬面も悪くない。何よりもグローバルでの事業投資ができるということだ。これは断トツで魅力的に映った。契約社員ということは5年満期であるとのこと。契約社員で入ったからと言って、正社員採用されるかは全く保証されないとのことであった。僕からすれば、5年の期間など超長期であり、総合商社で投資を経験し、英語で実務経験を積めれば、その後の改めて投資関連で別のキャリアに進む形でも全く問題はないように感じた。

面接は3次まであったが、スムーズに進み、内定をもらうことができた。これにより、大学院進学の話はなくなったわけだ。内定をもらった段階でもはや迷うことはなかった。

僕にとって総合商社というキャリアは、以下の3つの意味合いがあった。
①事業投資の経験が積めること
②グローバルな業務経験が積めること
③履歴書のクレンジングができること

①と②は自明だから③について説明しておく。僕自身、キャリアはすべて実を取る方針できたことから、会社名にはそんなにこだわりを持ってこなかった。最初の監査法人はBig4ではないし、コンサルも外資系ではない。業界の人は知っているが世間一般的に有名な会社ではない。監査法人は正直当時はBig4でもどこでも行けたが、中堅のほうが短期で現場主任になれる可能性が高く、そちらを選択した。コンサル会社は、事業再生の軸で選んだ結果、選択肢は3つほどしかなく、そのうち一社から内定を貰ったために選択した。後々になって考えてみれば、Big4は世界的に有名で、誰でも知っていることから、こうしたキャリアを積んでおくほうが説明不要であり、良かったようには感じる。実をアピールするにも、まずは形式用件ではまらなければいけない。監査法人は正直どこもそんなに変わらないから、名前で選んでもよかったと今は思う。

また、個人事業主というキャリアも決しては見栄えの良いものではない。若いうちはチャンスはたくさんあるが、40台を超えてくると、案件獲得に苦労する人も実際に見てきたし、自分はそうはなりたくなかった。

そんなこんなで、総合商社は経歴の面からみて、少なくとも日本国内では最も競争力があるキャリアの一つであり、色々な面からみて僕の要望にハマったわけである。とても運がよかったと思う。

そんなこんなで総合商社の投資部隊に加わることになった。

キリが良いのでここらへんで区切ってまた続きを書きたいと思う。





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