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本を読んでいて『幸せ』と思える瞬間

また、新たな考えを知った。
私の中には存在しなかった考え方。

摘まれた花は、摘まれない花より、早く枯れる。だから翼は花を摘まない。でも、わたしは花を摘む。摘まれた花はだって、咲いた場所とは違うところに行ける。違う景色を見ることができる。たとえ命が短くても。

大人は泣かないと思っていた/寺地はるな 

『翼』とは、この文に出てくる『わたし』の息子の名前。


私も翼と同じ、今まで摘まない方を選んできた。摘んでしまうと「可哀想」と思っていた。
だって、寿命が短くなってしまうから。それに、そこで咲き続けたいと思っているかもしれないから。
この文を読んだ時、私は衝撃を受けた。こんな考えがあるのかと。
私にとってそれは斬新な考えで、
「あぁ、色んな考え方があるものだな~」と、私の『引き出し』に、新しくこの考え方を仕舞い込んだ。
いつでも取り出せるように。

この他にもたくさんの素敵な言葉や、印象に残った言葉に出逢った。大切なので、この場に残しておこうと思う。

★自分が住んでる部屋の掃除だし、自分が使ったタオルや自分が穿いたパンツの洗濯なのに「手伝う」って。どうしてそんなに他人事なのかなって。

★なにもかもうまくいく場所などどこにもない。どの場所で咲くことを選んでも、良いことと悪いことの総量は同じなのかもしれない。生まれてから死ぬまでの時間で均してみれば。

★「いろんなひとを傷つけもしたし、迷惑をかけたもの。でも過去があっての、今のあたし。だからどうせ頭をつかうなら、あの時こうしてたらどうなったかな、なんてことじゃなくて、今いるこの場所をどうやったらもっと楽しく出来るか、ってことを考えたいのよね」

★「黙って去っていくのは、卑怯なことです。ふたりではじめたことの後始末を残ったひとりにおしつけるのは。去ったほうはそりゃ、楽です。ただ忘れればいいんだから。でも去られたほうは違う。自分でいろいろ考えて、結論を出して、そのことに折り合いをつけてかなきゃならない。ちゃんと別れを告げることが、去っていく人間の最低限の礼儀だと思います」

★「去っていかれたほうの人間が『忘れる』をやりとげるのは、大仕事です。そこに至るまでに、何度も泣いたかもしれない。……怪我したら痛いですよね。血も出るし、膿も出る。どんな経過を辿ってその傷が治ったかは、傷を負った本人しか知りません。他人が、治癒後の姿だけを見て『簡単に治ったんだね。じゃ、別にいいじゃない。怪我したことなんか忘れなよ』なんて言うもんじゃないと思いますね」

★自分の知らないところで、いろんなひとたちに心配されたり世話を焼かれたりしているのだと思い知った。「誰にも頼っちゃいけない」なんて、たいした思い上がりだったということも。

★去年の今と比べても、いろんなことが変わった。だからほんとうにわからないけど、でも遠くばかり見ないように、と今は思う。遠くを見過ぎて、目の前にあることをないがしろにしないように。
「来年」や「将来」が、あらかじめ設定されていて、ただそこに向かって駒を進めるようにして生きていれば、楽だろう。でも違う。予想外のことがかならずおこる。俺たちはたぶん目の前に現れるものにひとつずつ対処しながら、一歩踏み出す方向を決めるしかないのだろう。いちいちなやんだり、まごついたりしながら。

新しい考えや、自分では言葉に表せなかった自分の思っていた事を文章化してある本に出逢った時、 「あぁ、この本に出会えて良かったなぁ~💖」と、本を読むようになって良かった!😊と思える、幸せな瞬間である。



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