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『大丈夫?』という声かけは意外と難しい

私は、「頑張って!」という言葉をほとんど使わない。「頑張って!」の代わりに、「いつも頑張ってるね!」を使うように心がけている。これは育児書にも良く書かれている。子供達に「いつも頑張ってるね!」と伝えると、とても喜ぶ。娘にそう声をかけると「うん!頑張ってる😁」と蔓延の笑みだ。

一方、「大丈夫?」とか「ツラいね…」という言葉は、悪気はなくても相手に不快な思いをさせてしまう場合がある。
今回、鷲田清一先生の『だんまり、つぶやき、語らい』という本で、再確認させてもらった。



私も経験がある。
他人に「大丈夫?」と訊かれて大丈夫じゃなくても「大丈夫」と反射的に応えてしまうし、内心では(大丈夫じゃないけど…困💦)と思ったりした事もある。
でも、私の場合は声をかけてくれたその気持ちが嬉しかったから、不快な思いにまではなったことがない。



娘は「大丈夫?」と訊くと眉を顰める。大丈夫じゃないから辛いと訴えているのだ、と云わんばかりだ。「お母さんには分からないよ、この辛さは……」と言われたこともある。

確かに、分からない。分かりたくても本人じゃないから100%は分からない。だからといって放っておく事も出来ないし心配な事には変わりない。
だから、どう声をかけて良いか随分悩んだ時期もあった。

先程の本で語られていたことがある。

阪神淡路大震災を経験した方が、東日本大震災で東北に支援に行った時、何も言わず黙々と瓦礫などの片付けや掃除をされていたそうだ。普通なら「頑張ってください」等と励ましの言葉をかけてしまいそうになるが、頑張ってる人達にとってこれ以上「頑張れ」と言われるのは辛い、と分かっておられるからだ、と。

私も娘に対して、変に励ましたりしないで「そうか、そうか」と黙って聞くということを実践してみたことがある。

だが、娘には通用しなかった。
親子だから、変に気を遣う方がおかしくなる。

もう一度言うが、私は、「大丈夫?」と声をかけてくれた気持ちがとても嬉しかった経験が何度もある。
だから、あまり気を遣わずに、声掛けをしようと切り替えた。

『心配してるよ』
『あなたのことを想ってるよ』
という気持ちを伝えることができたら、相手は少しは心強いかもしれない。
伝える相手や状況に寄って気を付けなければいけない言葉だとは思うが、私は怖がらないで「大丈夫?」を使いたいな、と思った。


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